綱取りに暗雲だ。大相撲初場所8日目(21日、東京・両国国技館)、大関霧島(27=陸奥)が平幕の翔猿(31=追手風)に押し出されて2敗に後退。横綱昇進の条件となる連覇へ向けて、雲行きが一気に怪しくなってきた。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(36=本紙評論家)は、霧島が抱えている課題を指摘。「もっと自信を持って相撲を取るべき」と奮起を促した。
霧島が痛恨の黒星を喫した。翔猿との突っ張り合いで辛抱できず、引いたところで一気に押し出される完敗。取組後の支度部屋では取材に応じず、沈黙を貫いた。4日目の翠富士(伊勢ヶ浜)に続き、中日までに平幕に2敗。まだ首位と1差で逆転優勝の可能性があるとはいえ、格下への取りこぼしは大きな〝減点材料〟となっている。
秀ノ山親方は、この日の相撲内容について「霧島は自分から引いてしまった。もっと自分の馬力を生かした相撲を取れば持ち味のうまさも生きてくるのに、相手に合わせすぎて墓穴を掘った。相手のペースで相撲を取ってしまった」と分析する。翔猿とは過去7勝7敗と苦戦。翠富士にも前回対戦した昨年名古屋場所で敗れている。今場所の2敗した内容からは、霧島が抱える〝弱点〟が浮かび上がってくる。
秀ノ山親方は「翠富士に負けて、翔猿にも負けた。出足があって下から突き上げてくる小兵の相手に対して、攻めあぐねている印象。苦手意識があるのかもしれない。自分より小さい力士を相手にすると、小手先に頼って上半身だけでさばこうとしてしまう。上を目指すのであれば、苦手をなくすことが大事になってくる」と指摘した。
一方で、今場所の勝った相撲に関しても、やや物足りなさを感じているという。「ここまでは、さばいてしのぐ相撲が目立っている。やはり(綱取りを)意識しすぎると、気持ちが受け身になりがちになる。相手はそこにつけ込んでくるから。攻撃は最大の防御と言うけれど、しっかり自分から攻めることによって腰も割れて、落ち着いた相撲につながってくる」と攻めの姿勢の重要性を説いた。
もちろん、まだ綱とりの望みが完全に消滅したわけではない。役力士と当たる後半に連戦連勝を重ねれば、綱取りの機運が一気に高まっていく可能性もある。秀ノ山親方は「霧島が強いことは間違いないのだから、もっと自信を持って自分の相撲を取り切ること。最後まであきらめずに存在感を見せておかないと、上の番付は見えてこない。自分の力を全て出し切ることに集中してほしい」とハッパをかけた。
霧島は残り7日間で、横綱候補としての真価を問われることになりそうだ。












