ボクシングのWBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦(23日、エディオンアリーナ大阪)で、王者アルテム・ダラキアン(36=ウクライナ)に挑戦する同級1位ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が11日、都内の帝拳ジムで練習を公開。岡山県内のジム所属選手初の世界王座奪取を果たし、過去に対戦した元世界2階級制覇王者・中谷潤人(M・T)と、元WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(緑)を超えることを誓った。

 右の強打を武器に世界初挑戦のチャンスをつかんだ阿久井。この日はWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級4位・梶颯(帝拳)とのスパーリングで左フック、右ストレートをクリーンヒットさせるなど調子のよさをうかがわせた。

 岡山のジムからの世界挑戦は同門で1999年5月と2001年11月の2度挑戦したウルフ時光以来。「先輩の姿も見ているので、ここで必ず取らなきゃ、と思っています。(地方ジムの難しい環境は)関係ないことを証明したい」と闘志を燃やした。

 燃える理由はもう一つある。中谷には17年8月に6回TKOで敗れ、矢吹には18年4月に1回TKO勝ちと、後の世界王者2人に1勝1敗の戦績を残しており、「自分も追いつきたいのが一番強い。彼らを追ってここまで来たので、上に行ってやろうという気持ちはあります」と、言葉に力を込めた。

 ダラキアンは全勝で6度防衛している技巧派の安定王者。戦乱のウクライナからやってくる強敵に対し阿久井は「ありがたいし、尊敬している」と感謝しつつ、「やりにくさとか変則的なタイミングに気を付けて、いかに自分の間合いに引き込めるか」と攻略法をイメージする。

 名前にユーリを冠したのは、協栄ジムで活動したロシア出身の元WBC世界フライ級王者・勇利アルバチャコフに似ていると言われ、自身も勇利が好きだったから。岡山にベルトを持ち帰り、ライバルを超えて行く。