ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級6位の〝神童〟こと那須川天心(25=帝拳)が、元K―1世界3階級制覇王者の武尊(32)に熱いメッセージを送った。ボクシング3戦目(23日、エディオンアリーナ大阪)で初めて世界ランカーと相対する神童はKO勝利を期する一方で、直後に大一番を控えるかつての宿敵について珍しく言及。共に快勝し、それぞれの舞台から日本の格闘技界を盛り上げる。

 那須川はルイス・ロブレス(25=メキシコ)との対戦を控えた10日、都内の帝拳ジムで練習を公開。シャドーボクシング5ラウンド(R)、スパーリング4R、ミット打ち2R、サンドバッグ打ちを披露した。スパーリングではメキシコ人選手を相手にラッシュを仕掛けるなど仕上がりは順調。「ボクシングの環境にも慣れてきたし、自分のスタイルが1戦目、2戦目に比べてさらに型にハマってきたというか…。レベルもアップしていますし、やるべきこともだんだんと見えてきた感じです」と充実の表情を浮かべた。

 その神童が練習後に取材に応じ、2022年に拳を交えた宿敵への思いを語った。武尊は28日にONEフライ級キックボクシング世界王者のスーパーレック・キアトモー9(タイ)と対戦。シンガポールの格闘技イベント「ONEチャンピオンシップ」初参戦となる東京・有明アリーナ大会でいきなり王座に挑戦する。

 当初は18年に那須川と激闘を繰り広げたロッタン・ジットムアンノン(タイ)と対戦予定だったが、相手のケガで直前に変更。那須川は「本当に、僕からは『絶対に負けるなよ』っていうことだけ言いたいです。いろいろ相手が変わったりとかありますけど…。スーパーレックだけにじゃなくて〝いろんなもの〟に負けるなよって。それを心の底から願っています」とエールを送った。

 多くのファンから熱望されていた武尊戦を終え、自身はボクシングに転向した。それだけに「僕がいなくなった今、彼がキックボクシングなんですよ。キックボクシングとして、負けてほしくない。キックボクシングといえば武尊選手。だから、キックボクシングという誇りを持ってしっかりと魅せてほしいなって思います」と語気を強めた。

 くしくも、かつての宿敵と同じ週に続けてリングに上がる。もちろん、共に勝って格闘技界を盛り上げるつもりだ。先陣を切る形の那須川が狙うのは、ボクシングで初めてのKO勝利。自身の試合に向けて「面白いものを見せられれば。今回の試合はみなさんの見たことのないものをお見せできるかと」と不敵な笑みを浮かべ「〝KOする詐欺〟はやめようかと思います」と予告した。まずは、神童の快勝に期待したい。