冬は血管に関係する大きな病気の発症リスクが高いといわれる。中には“痛い死に方”の代表例ともいわれるような病気もあるというが、いったいどういう病気なのか。循環器専門医の高橋通先生に教えてもらおう。
――血圧が関係してくる大きな病気とは
高橋医師(以下、高橋)代表的な病気は、心不全、心筋梗塞、大動脈解離、大動脈瘤破裂、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)などがあります。どれも命を落としかねなかったり、後遺症が残ってしまったりする重大な病気です。
――血管系の病気は痛みを伴うイメージもあります
高橋 痛みを伴う代表的なものは心筋梗塞と大動脈解離、大動脈瘤破裂です。冬場の午前中に発症することが多いというデータもあります。
――ドラマなどで心筋梗塞を起こして前かがみで倒れるみたいなシーンもありますが…
高橋 まさに、胸をぐっと押しつぶされるような痛みだと表現されます。血管が詰まる病気なので、発症して6時間以内に医療機関でカテーテル治療を行い、詰まった箇所の血流を流すことができるかどうかが分かれ目のひとつともいわれます。
――亡くなってしまうとか、後遺症の問題でしょうか
高橋 そのとおりです。心筋梗塞を起こし、血流が長時間流れなかった心臓の筋肉は壊死(えし)を起こし、その範囲は広くなります。例えば、より心臓の血管の根元に近い箇所で発症すると、非常に広範囲の心臓の筋肉に血液が流れない。そのため、命を取り留めたとしても心臓のポンプ機能が悪くなってしまい、心不全を起こしたり、命に関わる不整脈が起きやすくなります。
――大動脈解離とは
高橋 大動脈解離は、血管の内側が裂ける病気です。血管がバリバリと裂けていくときに、非常に強い痛みが走ります。高い致死率で、短時間のうちに命を奪う病気ですのでとにかく早く治療を行うことが大事です。血管の裂け方は人それぞれで、より心臓に近いところが裂けると、命に関わります。もし大動脈瘤破裂ということならば、血管の外側が破裂し、大出血を来しますのでさらに致死率が高くなります。
――こういう病気のリスクを下げるためにも、血圧のコントロールが大切なんですね
高橋 そうですね。血圧が高い状態などが継続すると、血管には日々負荷がかかり、柔軟性のない硬い血管になっていく。そんな血管状態で、急に血圧が上がると、破れたり詰まったりする可能性があり、血管系の大きな病気を引き起こしてしまうのです。
☆たかはし・とおる 東京都出身。医学博士。1994年に筑波大学医学専門学群卒業。2008年、東京大学大学院医学系研究科修了。現在、東京国際クリニック医科の院長を務める。日本循環器学会循環器専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本人間ドック学会認定医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医。テレビや雑誌でも活躍中。












