トップで戦うためのカギとは? 10日に行われた陸上の日本選手権1万メートル(東京・国立競技場)で、女子は世界選手権7位入賞の広中璃梨佳(23=日本郵政グループ)が30分55秒29で3連覇。パリ五輪の参加標準記録(30分40秒00)に届かず今大会での代表内定はお預けとなったが、明るい兆しが見えたレースとなった。

 残り1周まで4選手が競り合う混戦を抜け出したのは広中だった。残り200メートル付近でギアを入れると、そのままゴールへ飛び込んだ。「シーズンベストの30分台を出せたのは自信となった」と笑顔を見せながらも「後半の5000メートルは粘りつつも上げていきたい気持ちだった。そこがなかなか実行できなかったのは悔しい」と反省も忘れなかった。

 広中は一定の速いペースでレースを展開できるのが、大きな武器の一つ。長距離に関する研究などを行う鹿屋体育大陸上部の松村勲監督は「パリ五輪は入賞ラインが29分台になりそうな印象があるが、ペースを押し上げる練習をうまく取り入れれば、29分台に乗せるチャンスはあると思う」と指摘。さらに「今は1万で言えば1キロを3分5秒くらいで押す能力が高いと思うので、1キロあたり5秒を引き上げたラインの練習を組み込めば、半年あれば狙えるのでは」と期待を寄せた。

 ベースを引き上げるために、スピードの強化は不可欠な要素。松村監督や広中を指導する高橋昌彦監督もポイントに挙げる中で、広中は「スピードやスピード持久力をもっと磨いて、5000メートルも1万メートルもどちらも対応できるような強さを磨いていきたい」と意欲十分。今大会で得た課題を進化につなげる構えだ。