歓喜の先にある現実とは――。Jリーグ創世期の強豪・東京Vが2日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝(国立)で清水と引き分け、リーグ戦上位チームを勝者とする規定で16年ぶりのJ1復帰を決めた。来季への注目も高まる中、クラブ全盛期に活躍したOBで元日本代表FWの武田修宏氏(56=本紙評論家)が復帰を果たした要因を分析するとともに、チームが抱える課題を挙げた。
東京Vは劇的な展開でJ1切符をつかんだ。0―1で迎えた後半アディショナルタイム。このままでは敗退という中、FW染野唯月がペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得し、これを自ら決めて決着をつけた。城福浩監督やMF森田晃樹主将は、歓喜の涙を流した。
シーズン開幕当初、下馬評は決して高くなかった。それでもJ1復帰を勝ち取った要因について武田氏は「ヴェルディは今シーズン、お金もない中で、6月に江尻(篤彦強化)部長と城福さんと話した時には、ハードワークできる選手をいっぱい取ったということだった。(7月に町田へ移籍した)バイロンがいなくなった時も、しっかり染野を補強。現場の城福さんと江尻部長が、しっかり同じ絵を見てチームづくりができていた」と指摘した。
さらに「試合が終わった後、城福さんと江尻部長と話したけど『毎日緊張感の中でトレーニングしてきた積み重ねが最後の最後に出た』ということだったね。それに分析を担当した和田(一郎コーチ)。日本代表のスタッフだったこともある和田が、しっかり相手を分析し、準備をして守備を構築していった積み重ねが、こういう日の試合にも出ていた」。実際、今季はJ2最少の31失点で、押され気味だった大一番も最少失点にとどめた。
いよいよ来季はJ1が舞台。名門復権に期待も高まるが、J1で戦う上での戦力を揃えるところから苦労しかねない状況だ。武田氏は「これからが本当の勝負だよね。城福さんも言っていたけど、(今オフに)また選手が抜けちゃうみたい。優勝を争うチームと育成型のチームがある中で、今のヴェルディだと、選手を育てて売っていくしかない」。来季のJ1残留に向けては、厳しい戦いを強いられる可能性が高い。
それだけに「本当にヴェルディが強くなるためには、大手のスポンサーについてもらうしかない。優勝するためには、そういうことをやっていかないと難しい。それが現実なんだと思う」。依然として立ちはだかる課題に、現時点での〝特効薬〟はない。来季も限られた戦力のやり繰りで活路を見いだすしかないのか。












