【Buzzの本懐】フルーツをぶつけて大きくするパズルゲーム「スイカゲーム」の大流行の裏側を、販売元・Aladdin X株式会社の担当者に直撃するインタビュー。後編では大ヒットとなった理由や今後の展望、さらには本業に対する譲れない思いについても語ってもらった。そこでは世間の盛り上がりとは対照的な、企業としての堅実な思いも垣間見ることができた。

 ――21年4月にリリースしたものの本格的に売れ始めたのは今年9月から。ヒットには配信者の紹介が大きく影響したということですが…

 岡本 そうですね、特に初期はゲーム実況配信者の皆さまと、Vtuberの皆さまという〝二大巨頭〟に引っ張り上げていただいた印象です。我々としてさらに驚きだったのは、芸能人の方や百万人単位の登録者を抱える大手ユーチューバーの方までもが一斉にプレイを始められたことですね。一気にジャンルの垣根を飛び越えた感覚があって、そこからメディアで取り上げられたり、商品化の相談が来たりするようになりました。

 ――ここまで流行した理由はどこにあると考えられていますか?

 岡本 キャラクターのかわいさ・親しみやすさは大きいのかなと感じています。特に小さいお子様にとっては言葉が出てこないゲームということもあって、感覚的に楽しんでいただけているのかなと思います。

 ――人を選ばない内容が刺さったということですね

 岡本 あとは、時間制限のないルールの緩さや、フルーツがどんどん消える瞬間の爽快感と、失敗してももう1回挑戦すればうまくいくのではと感じてしまう中毒性、といったところでしょうか。

スイカを1つ作るだけでも至難の業だ
スイカを1つ作るだけでも至難の業だ

 ――消えるという点では、スイッチ版ではスイカを2つぶつけると消失する仕様になっていますね

 岡本 元々はぶつけても消えない仕様になっていたのですが、そうするとスイカが2個画面に現れた時点でほぼゲームオーバーなので(笑い)。長時間遊んでもらうことを考えると、消えた方が良いと思ってNintendo Switch版から導入しました。他にも物理演算を見直して、より楽しんでいただくための要素を追加して移植していますから、そこも今回の「バズ」の要因だったかもしれません。

 ――プロジェクター用に開発されたゲームということであれば、大画面で遊んだ方が楽しいのですか?

 岡本 次はどこにフルーツを置くか悩む場面が生まれますが、その時に大画面であれば、実際に指を差して相談することもできます。ですから複数人で楽しむという意味では大画面の方が楽しいかもしれませんね。

プロジェクターを使ってゲームをプレイする岡本氏
プロジェクターを使ってゲームをプレイする岡本氏

 ――先程商品化というお話もありましたが、今後の展開も気になります

 岡本 グッズは積極的に展開したいです。ダウンロードしていただくにしても、ゲームハードの販売台数を上回ることはできないので、実質的な限界があるように感じています。そのため今後はグッズ化・書籍化等、IP(知的財産)としての可能性も同時に探っていきたいですね。

 ――スマホアプリ版をリリースされる予定は?

 岡本 スマホアプリ版に関しては開発の計画を進めており、具体的なリリース時期は未定ですが、また改めて皆さまにお伝えできればと考えております。また、スマホアプリ版以外の今後の展開としては、我々の中での基本方針が2つあるんです。1つは演出を変更したり、新たなモードを導入したりと、ゲーム自体をもっと楽しんでいただけるよう工夫するということ。もう1つが、もっと多くの方が物理的に楽しんでいただくために、入り口を増やすということです。その点でも、我々としては様々な方向性を検討しているという状況です。

 ――先日eスポーツチームが「スイカゲーム」部門を発足させるという報道もありましたね

 岡本 ゆくゆくは競技シーンにも参入してみたいとは思っていますが、その一方で皆様に長く愛されるコンテンツにしたいという思いもすごくあります。良くも悪くもすごくシンプルに作ったゲームなので、まずは基本的な部分をしっかりと調整して、足元を固めていくべきではないかと考えています。

 ――ちなみに社員の中で〝プロ級〟の腕前の方はいらっしゃるのですか

 岡本 そういう社員はいないんですよ…。最近始められた方の多くは、3000点というスコアを目標にされているようなのですが、到達している社員はいないんじゃないかな…(苦笑)。うまい人でも2500点止まりです。

 ――社内に伝わる攻略法等はありませんか?

 岡本 これも上級者の方には笑われてしまうかもしれませんが…。とにかく小さいフルーツを下に置かないことですね。画面の上半分でばかり合成してしまうと、下に残ったフルーツを消すことができずにせり上がってしまいますから。

果物が上端まで積み上がってしまうとゲームオーバー
果物が上端まで積み上がってしまうとゲームオーバー

 ――ぜひ次のプレーでは参考にさせていただきます。ちなみに今回の大ヒットは、プロジェクター事業に影響を与えているのでしょうか?

 岡本 そこに関しては、感じている部分と感じていない部分があります。弊社のホームページをチェックしていただく方の数は間違いなく増えましたから、スイカゲームを通じてブランドの知名度は上がったと考えています。ただ実際にプロジェクターを購入していただけるかとなると、それはまた別の側面があるということも感じています。「スイカゲームが入っているからAladdin Xのプロジェクターを購入する」ということは考えにくいですし、ゲーム同様に自社製品が爆発的に売れているということはありません。ですがプロジェクターというもの自体、購入を長く検討していただく〝大きな買い物〟ではありますから、今後の動向に注目していきたいです。

 ――最後にスイカゲームを楽しむ方々に伝えたいことを

 岡本 やはりこのスイカゲームは単なるゲームではなく、大切な人との豊かな空間を作りたいという思いから出発したオリジナルのコンテンツの一つであることは知っていただきたいですね。そして、Aladdin Xというブランドがお客様に提供しているものが「単なるエンタメを視聴する機械」ではないことをご理解いただければ、こんなに嬉しいことはありません。皆さまの力で大きくしていただいた「スイカゲーム」というコンテンツを長く・広く愛されるものにしていきたいと考えていますので、今後の展開にもぜひご期待ください。

【Aladdin X株式会社】家庭用プロジェクターの開発・販売を手がける企業。コンパクトな商品はファミリーからカップル・ミニマリストまで、幅広い層の支持を集める。最新機種『Aladdin Marca(アラジン マルカ)』は壁から24センチの距離で、100インチの画面が投影可能だ。

 公式HPは【https://www.aladdinx.jp/】。