オリックスのエース・山本由伸投手(25)がポスティングシステムによるメジャー挑戦を球団から承認された。プロ7年目となる今季は16勝、防御率1・21、勝率7割2分7厘、169奪三振と圧倒的な成績を残し、3年連続で投手4冠と沢村賞を受賞。複数のMLB球団が獲得に名乗りを上げるのは確実とされ、移籍先が注目を浴びる無双右腕に対し、同僚でMLBでも活躍した守護神・平野佳寿投手(39)が“金言アドバイス”を送るとともにメジャーでの成功にも太鼓判を押した。

 オリックスが誇る最強守護神・平野佳の経歴は輝かしい。プロ5年目にリリーフへ配置転換され、2011年に最優秀中継ぎ投手、14年には最多セーブのタイトルを獲得するなど猛牛軍団のリリーバーとして不動の地位を確立した。その後、18年からMLBへ活躍の場を移し、ダイヤモンドバックスとマリナーズで計3年間プレー。メジャーでは150試合に登板し、9勝9敗、48ホールド、8セーブ、防御率3・69の記録を残した。

 21年にオリックスに復帰すると再び守護神として君臨し、今季は史上4人目となる日米通算250セーブを達成。NPB、MLBで実績を重ねている平野は今オフ、海を渡ることになる後輩の山本について「由伸は圧倒的な成績も残していて、メジャーに行ったとしても先発ローテに入って活躍できる実力もある」と言い切る。

 今年のポストシーズンで山本はロッテとのCSファイナル初戦では7回10安打5失点、阪神との日本シリーズ第1戦でも6回途中10安打7失点と打ち込まれ、心配の声も上がっていた。だが中6日で臨んだ第6戦では138球を投げ、シリーズ新記録となる14奪三振で1失点完投。“国内ラスト登板”で本来のポテンシャルを発揮し、平野も「(第6戦は)いつもと同じピッチングをしてたから、そこまで驚きはないんですけど、あらためてすごいプレーヤーだなと感じましたね」と最敬礼する。

 自身のMLBでの経験から「メジャーは契約が強い。いくら打たれても、ちゃんとした契約を結んでいる人は絶対試合に出られる。僕も最初のキャンプで結構打たれて、大丈夫かなって自分の中で思ったけど、監督やコーチに何も言われず、淡々と流れ作業で投げてました」と明かす。

 その上で「いい契約をしてもらっている以上、自分のパフォーマンスをちゃんと出せないといけないから、キャンプやオープン戦の時から自分で考えることの大切さは感じた。自己管理は大事やと思います」と説く。

 米国での生活やMLBでのプレーでは英語力も重要となる。それでも平野は「僕はほぼ諦めてたんで…。英語を話せてたら、もうちょっと楽しく、もっと面白くできたのかなというのはある。通訳なしならコミュニケーションは深くは取れなかったので、逆に野球に集中できたというところはあったけど、ある程度英語はしゃべれた方がもっと楽しくみんなと野球ができるのでは」と自身の経験を踏まえた上で助言を送った。

 また、体づくりやコンディションなどで欠かせない食事面もポイントに挙げる。「僕はこだわりがないのもあるけど、日本食もいっぱいあるし、料理はおいしかった。でも、由伸は今も栄養士さんをつけたりいろいろ頑張ってやっている。そこはどうするのか難しい部分かもしれないけど、何も考えずそのまま行ったらいいと思います」。あくまでも自然体で渡米することを勧めた。

 そして最後に「もちろん、結果が出なかったらすぐ(切られる)っていう厳しい世界やけど、最初はアメリカの野球にアジャストして、自分を見失わずにやっていってほしい。メジャーは違う世界と思った方がいいし、まずは楽しみという気持ちで行ってほしいですね」と力強く背中を押した。“無双投球”で日本中を沸かせた絶対的エースが海を渡っても度肝を抜くピッチングを披露するのは間違いない。