プロ野球のフリーエージェント(FA)宣言が6日から解禁された。国内FA権を取得し、権利行使の行方が注目されている西武・山川穂高内野手(31)に初日の動きはみられなかった。

 すでに残留交渉を開始している球団側は山川に条件提示を済ませ、代理人からの返事を待っている状況だ。

 FA取得年の今年5月、異例の不祥事が発覚。球団から「無期限の公式戦出場停止処分」を受けた山川の10年目シーズンはわずか17試合の出場で打率2割5分4厘、0本塁打、5打点に終わった。通常なら今季年俸2億7000万円(推定)からの大幅ダウンはやむを得ないところ。しかも西武側が提示している条件は「単年契約」とされており、その厳格な査定の内容がチームの内外でクローズアップされている。

 西武内でささやかれているのは「(渡辺)GMはチームのバランスを崩すような提示はしない。チーム全体のバランスを考えた上で〝適正価格〟を提示しているはず」という見解。いわば球団本部に対する信頼感だ。

 昨年6月、米大リーグ・パドレス傘下3Aを自由契約となった秋山翔吾外野手(35=現広島)の再獲得に動いた西武は広島、ソフトバンクとの三つどもえの争奪戦に敗れた。

 昨オフのラジオ番組で秋山は「日本に帰る機上では95%、ライオンズでした。戻らなきゃいけないという思いもあった」と語っていた。それでも最終的に西武を選べなかった理由が広島とソフトバンクの「2・5年」に対し、古巣・西武の契約年数が「1・5年」だったこと。加えて単年あたりの提示額が〝億〟に届いていなかったことだとされている。

 たとえ功労者であろうとも厳格に適正価格を探り、チームの年俸バランスを崩すリスクを冒さないのが西武フロントの一貫した姿勢。もちろん、この流れは山川に対しても例外なく適用されているはずだ。

 仮に西武が減額制限いっぱいとなる40%ダウンの1億6200万円にダウンした1億800万円分の出来高を付けるとするならば、今季の推定年俸に到達する。とはいえ、マネーゲームに発展するならば「年俸倍額(5億4000万円)の4~5年契約」で山川の獲得に動くこともウワサされているソフトバンクの資金力には遠く及ばないだろう。

 今月23日に32歳となる山川にとって今オフの国内FA権行使は最初で最後の大型契約を勝ち取るチャンスでもある。異例のFAイヤーに悩める西武主砲の決断が注目されている。