中国の李克強前首相(68)が上海で心臓発作を起こし、死去したと中国の国営メディアが27日に報じた。習近平国家主席の独裁下で、長らくナンバー2となる首相を務め、親日派でも知られる李氏の急死を巡っては暗殺説も出ている。

 李氏は中国共産党の青年組織「共産主義青年団」出身。経済に明るく、その政策は「リコノミクス」と呼ばれ、国家主席の有力者と目された時期もあったが、習近平体制で力はそがれ、今年3月に10年務めた首相の座を退任していた。

 親日派で安倍晋三元首相が死去した際には「何度も会談し関係の促進について有益な交流を行った」と弔電したことも。小沢一郎衆院議員は「日本滞在中には私の岩手県の実家にホームステイをされるということもありました。(中略)まだまだ若い彼が、こんなに早く亡くなってしまったということは、中国の国家的損失であり、今後の日中両国の友好発展のためにも惜しまれてなりません」としのんだ。

 李氏は習氏のゼロコロナ政策にタテ突いたこともあって、目の上のタンコブだったともいわれる。習体制では7月から外相、ロケット軍司令官、国防相らが相次いで更迭される異常事態が起きていた矢先。SNSでは李氏が2か月前に敦煌を訪れ、元気な姿を映した動画が拡散され、「習近平のデスノートか」と突然の心臓発作による死去には疑念の声が出ている。

 評論家の石平氏はX(旧ツイッター)に「首相在任中は習近平最大のライバルであったが、政権から追い出されてわずか半年の突然死。今は詳しい情報は全くないが、やはり『謎の死』だったのだろうか」と投稿。

 1989年に胡耀邦元総書記が心筋梗塞で急死し、天安門事件につながったことを挙げ、「積もりに積もった習近平独裁政治に対する爆発の導火線となるか」とも言及した。