国内最大の暴力団「六代目山口組」(司忍組長)が分裂して8月27日で8年がたち、分裂抗争も9年目に突入した。ここまで長期化するとは8年前は誰も思っていなかっただろう。いったい、今どうなっているのか? 今後、抗争はどのような行方をたどるのか――。

 六代目山口組から分裂して神戸山口組(井上邦雄組長)が発足した当初、神戸の勢いの良さが伝えられたが、8年がたち勢力には明確な差がついてしまった。警察庁の発表だと、昨年末の時点で六代目山口組の構成員が3800人なのに対し、神戸山口組は330人と1割にも満たない。絆會と池田組はそれぞれ70人だった。

「分裂騒動を主導した5人の大御所のうち、現在神戸山口組に残っているのは井上組長だけ。入江禎組長の宅見組、池田孝志組長の池田組は離脱し、残りの2人は引退した。井上組長の出身母体である山健組も六代目山口組に復帰。今年の夏前には井上組長と側近が海外で潜伏して反撃に備えるなどとにわかに信じ難い情報も流れたが、案の定さすがにこれはガセだった」(暴力団事情に詳しい関係者)

 昨年の今ごろ、神戸山口組は宅見組、池田組、同じく神戸山口組から離脱した織田絆誠会長が立ち上げた絆會と“4派連合”を組んで、六代目山口組に対抗するなどと言われていた。「池田組と絆會は今も親密な関係だが、それ以外は一緒に戦うという感じではない。それぞれ不可侵というイメージだ」(同)

 今年4月には司組長の出身母体、弘道会系組織・湊興業の余嶋学組長が経営するラーメン店で何者かに射殺された。犯人はまだ捕まっていない。「現在、別の事件で指名手配中の絆會ナンバー2の実行犯説も飛び出し、抗争激化の恐れはあったが、これには警察も組織の人間も半信半疑。個人的トラブルと言われているが、ただ警察もその線を完全に捨てたわけではないとのこと」(同)

 6月には井上組長の自宅に六代目山口組系組員がガソリンをまき放火予備の疑いで逮捕され、7月には別の六代目山口組系組員が神戸山口組系事務所にトラックで突っ込んだ。それ以外は静かで、目立った動きはなかった。だからといって、いつまでもこのままの状態とはとても思えない。
「六代目側が早期の決着を図っていることは間違いない。中にはこのまま10年目を迎えるわけにはいかない、という声も聞こえてくる。その時に備えて、水面下で敵組織の行動確認はずっとしている。一方、神戸山口組、池田組もギブアップするつもりなんて全くないとのこと。ということは、いつ今の“静寂”が打ち破られてもおかしくない」(同)

 その場合、従前から言われているように、池田組の本拠地・岡山がまず真っ先に“激戦区”となる、というのが大方の見方だ。実際に昨年10月には山健組の幹部が池田組長を岡山で襲撃し、ボディーガードに返り討ちに遭うという事件も起きている。

 今は嵐の前の静けさ、といったところかもしれない。