企業のトップが行った会見にしてはあまりにもお粗末だった――。保険金不正請求問題で揺れる中古車販売大手「ビッグモーター」が25日、騒動後初となる会見を開いた。社長の兼重宏行氏は一連の問題について「経営陣は関与していない」の一点張り。社員らに「刑事告訴」をにおわせる発言も飛び出した(その後撤回)。今後、責任を負わされてはたまらないと社員らの告発が続くと予測する声もある。
ビッグモーターでは、板金・塗装を行っていた一部店舗で靴下にゴルフボールを入れ車体を叩くなどして傷をつけ、不正に保険金の水増し請求を行っていたことが発覚した。26日付で社長の兼重氏と息子で副社長の兼重宏一氏(35)が辞任する事態にまで発展。そんな同社に追い打ちをかけるように、さらなる暗雲が垂れ込めているという。
不正発覚後初めてとなった記者会見では、経営陣が何度も頭を下げ顧客や損害保険会社に謝罪。新社長となる和泉伸二専務が涙ながらに「絶対にあってはいけないことが起きてしまった」と話すなど真摯な姿勢を見せたように思われたが、社長の“お粗末”すぎる発言の数々が世間をにぎわせているのだ。
「経営幹部は不正行為をどれくらい認識していたか」と問われると「今回の不正請求問題は知らなかった」「経営陣は関与していない」などと即答。続けて「本当に耳を疑った。こういうことまでやっていたのかと、がくぜんとしました」と現場に責任を押し付けるような発言が話題に。
さらに水増し請求を行った社員に対しては語気を荒らげて「これは犯罪ですから。罪を償ってもらわないと!」と刑事告訴をにおわせて当事者意識の低さを露呈。店舗前に除草剤がまかれた疑惑には「環境整備で…」と話しかけたところを同席した幹部が「きちんと調査させていただきます」と即座にブロック。ゴルフボールを使った事例には「ゴルフを愛する人への冒トク」と見当違いなコメントをするなど、これらの発言に対し批判の声が殺到した。
この会見を「大人力検定」などで知られるコラムニスト・石原壮一郎氏は“希代のダメ会見”とバッサリ。「知らなかった」の一点張りで押し通した兼重氏の対応を「ワンマン社長の悪いところを煮詰めたよう」と話し、「謝罪会見のお決まりとして頭を下げてるだけ。いざ具体的な話になると『知らなかった』って…」と、それは筋が通らないとあきれ顔だ。
さらに「(事件を聞き)『耳を疑った』って言ってましたけど、その言葉に日本中が耳を疑ったと思いますよ。知らないわけないでしょ(笑い)」と国民の気持ちを代弁した。
部下への責任転嫁や刑事告訴をにおわせたことでさらなる告発が続くと予想する。「当然部下や元社員から告発がいっぱいあるでしょう。上に命令されたとはいえ、お客さんの車を傷付けたのは胸が痛かったはず。罪滅ぼしのためにもどんどん言ってほしいくらい」と、責任を負わされてたまるかと社員らによる“反乱”が起きる可能性を指摘した。
会見の最後に、兼重氏は記者からの怒涛の質問に心が折れたのか、「今考えてみると、そこ(刑事告訴)までする必要がないな…」と発言を撤回。そんな“希代のダメ会見”を石原氏は「元社員や今の社員に、あの社長がいる会社にいちゃダメだと思わせる勇気を与えてくれましたね。泣きの5点、差し上げます!」と超辛口評価。ビッグモーターが残りの95点分を獲得する日は来るのだろうか…。












