大舞台で〝リベンジ〟なるか。テニスの4大大会「ウィンブルドン選手権」の女子ダブルスで、加藤未唯(ザイマックス)&アルディラ・スーチャディ(インドネシア)組が5日に初戦を迎える。「全仏オープン」での失格騒動の余波で大きな注目を集める中、テニス解説者の佐藤武文氏は2人のモチベーションが高まっていると分析。上位進出の可能性も十分にあるとの見方を示した。

 先月の4大大会「全仏オープン」3回戦では、加藤が相手コートに返した球がボールガールの頭に直撃。対戦相手のサラ・ソリベストルモ(スペイン)&マリエ・ブズコバ(チェコ)組の猛抗議によって失格となり、世界を巻き込む大騒動となった。佐藤氏は「彼女たちはそこまで騒動のことを気にしていないのでは。自分たちは自分たちの仕事をするんだという感じがある」と指摘。すでに気持ちは切り替わっているようだ。

 全仏オープン後に出場した3試合は全て初戦敗退に終わったものの、佐藤氏は「(芝コートは)シングルスに比べて対策を講じないといけない部分が多い。本人たちもわかっていると思うが、そのへんの難しさはある」と解説。クレー(赤土)から芝に慣れるまでには一定期間を要することから、心配はしていない。

 その上で、今回のウィンブルドンに向けては「いろんな意味で注目されている中なので『4大会の一つ』というメンタルではなく『自分たちの立ち位置を世界中にアピールしなきゃ』と考えていると思う」と加藤ペアの胸中を推察。注目度の高さが、2人のメンタルにプラスに作用するとみている。

 2人の相性も抜群だ。これまでの試合では攻撃的な加藤に対し、後方からスーチャディがお膳立て。最後は加藤が前方で大胆な攻撃を仕掛けるなど、バランスの取れたテニスで勝利を重ねてきた。佐藤氏は「彼女たちはダブルスで生活しているペアですし、4大大会でベスト16、8に入ってきても全然おかしくないレベル」と高く評価。世界で戦っていく力は十分にあるという。

 では、ベスト8の壁を越えるカギはどこにあるのか。佐藤氏は番狂わせが起きやすい芝での戦いだからこそ、判断力が重要になると指摘。「芝は滑ったりして足元を取られてしまうことがある。ちょっとでも迷ってしまうと足を滑らせたりして、自分のプレーがうまくできないことがある。大胆な決断だったり、大事な場面で素早く正しい選択ができるかどうかが大事になる」とポイントを挙げた。

 5日の初戦ではルチア・ブロンツェッティ(イタリア)&ビクトリヤ・トモバ(ブルガリア)組と対戦。順調に勝ち上がれば、準決勝でソリベストルモ&ブズコバ組と再び顔を合わせる可能性もある。そこでリベンジを果たせれば、世界での認知度がさらに上昇することは間違いない。2人にとっては〝真価〟が問われる舞台となりそうだ。