全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(17日、東京・大田区総合体育館)は、王者の新日本プロレス・永田裕志(55)が安齊勇馬(24)を退け、3度目の防衛に成功。試合後は世界タッグ王座V1に成功した青柳優馬(28)が奪還に名乗りを上げたが、王者は態度を保留した。

 3カウントが入ったこと確認すると、永田は渾身の敬礼ポーズを決めた。〝不沈艦〟スタン・ハンセン氏ら3人の立会人からPWFヘビー、UNヘビー、インターナショナルヘビーの3本のベルトを手渡されると、誇らしげな表情を浮かべた。

 1989年4月18日、故ジャンボ鶴田さんがハンセン氏との死闘を制し3冠を統一した地で希望通り、3本の旧ベルトを巻いた永田は「一夜限りでしょうけど、僕の思いがかなうとは思わなった。だから気を引き締めて、安齊を受け止めた上で叩き潰そうかなとずっと思っていた」と振り返った。

 昨年9月のデビュー戦で相手を務め、年末の「世界最強タッグ決定リーグ戦」でもパートナーを務めた若武者を真っ向から受け止めた。非情な蹴りと左腕攻めで追い込み、ナガタロックⅡ、エクスプロイダーを惜しみなく見舞った。

 16分過ぎに安齊が初披露したムーンサルトプレスも間一髪を交わすと、大「安齊コール」に包まれた会場で底力を見せた。この試合4発目のジャンピングニーをくらいながらも、反撃のニールキックが炸裂。最後は21分6秒、渾身の岩石落とし固めで3カウントを奪った。

「ポテンシャルはすごいなと。(自分の3冠戦で)対戦者の声援一色になったのは初めてじゃないですか。勝敗以外、彼はファンの声援に応えたんじゃないかと。今日の試合を見て『ダメだな、安齊』と思う人はいないと思う」

 2月に団体エースの宮原健斗から王座を奪取し、主要3団体のシングル王座を戴冠するグランドスラムを達成。3月の石川修司、5月のT―Hawkに続き、これで王道マットの未来も退けた。試合後は青柳優馬から挑戦表明を受けたが、永田は「いまいち(会場の)反応が薄いから、佐倉大会の試合後に判断してやるよ」と返答。

 自身がプロデュースする18日の新日本・佐倉市民体育館大会の8人タッグ戦(永田&棚橋弘至&小島聡&マスター・ワト vs 優馬&宮原健斗&青柳亮生&安齊)後に決断するとした。元気いっぱいの55歳が、まだまだ王道マットの頂点に君臨し続ける。