〝強さ〟の要因は――。陸上の日本選手権2日目(2日、大阪・ヤンマースタジアム長居)、女子1500メートル決勝が行われ、田中希実(23=ニューバランス)が4分8秒29で優勝し、4連覇を達成した。
スタジアムのカクテル光線が独り舞台を華やかに照らした。残り2周で首位に浮上。最後の1周は圧巻のギアチェンジで、2位の後藤夢(ユニクロ)に約10秒差をつけた。田中は「最初からいくとしても、後半に仕掛けるとしても、どちらにしても自分のレースに集中することが大事だと思った」と冷静に振り返った。
学生時代から数々の好成績を残し、国際大会でも活躍。ところが、鹿屋体育大陸上部の松村勲監督によると「実は一度データを測定しに後藤選手と大学に来たのですが、後藤選手の方がいろんなデータは高かった。田中選手は筋力だとか最大酸素摂取量が周りの選手より若干低いぐらいな感じだった」。飛び抜けた身体能力を兼ね備えているワケではないようだ。
では、なぜ大舞台で力強い走りを披露できるのか。松村監督は「気持ち的な部分と、やはり練習内容の質が高いのでは」と指摘。「練習内容の話をたまに聞くと、速いスピードでやって、ちょっと緩めるというような変化走的なことをよくやっている。やっぱりそのレベルが高いのだと思う」との見方を示した。
自らに必要なモノを考え、地道に努力を続けてきたからこその実績。しかし、満足はしていない。「世界の本物のライバルたちにぶつけて、勝ち切れるようなことをしていきたい」。視線の先にあるのは〝世界〟に通用するランナーだ。












