〝余力〟は十分だ。陸上の日本選手権初日(1日、大阪・ヤンマースタジアム長居)、女子1500メートルが予選が行われ、4連覇のかかる田中希実(23=ニューバランス)は4分15秒19の1組1着でフィニッシュ。全体でも1位のタイムをマークし、2日の決勝にコマを進めた。

 軽やかな走りは、心技体が整っている証拠だ。序盤から先頭でレースを進めると、後続をみるみると引き離す。最後まで他を寄せ付けない走りだった。「去年も予選で同じぐらいのタイムだったけど、疲れてしまったので、イメージとしてはあまり良くなかった」と回想しつつ「今日は久しぶりに予選を使って、自分の体を確かめた。そういう落ち着いた走りはできた。結構リラックスして走ることができたので、去年までの予選と比べると、良かったかな」と納得の表情を浮かべた。

 昨年は800、1500、5000メートルの3種目に出場。「スケジュールをこなすことの方が必死だったが、その中で結果を出さないという思いもあったので、その2つで苦しかった」。しかし、今大会は1500、5000メートルの2種目に絞った。「スケジュール面がタイトじゃないので、レース一つひとつに集中しやすい」とメリットを語った上で「逆に、集中できるからこそ、余裕をなくすんじゃなく、順位とかタイムに縛られないことを意識して日々過ごすことはできている」と一定の手応えを口にした。

 決勝で目指すのは〝世界レベル〟の走り。さらなる高みへ、今大会はあくまで通過点にすぎない。