徳島県小松島市の「金長(きんちょう)神社」の修復工事が先日、完了した。その裏では、解体計画や修復費の不足などさまざまな困難があった。
同神社は地元に伝わる民話「阿波狸合戦」の金長狸を「金長大明神」として祭っている。昭和初期に「阿波狸合戦」が映画化され大ヒット。平成に入り、スタジオジブリが製作したアニメ「平成狸合戦ぽんぽこ」が大ヒットしたが、同作品にも金長狸が“出演”している。地元で親しまれてきた神社だった。
しかし、同神社は老朽化と市の公園整備計画により、市が2017年に解体を発表していた。南海地震の対策として避難公園が造られることになり、金長神社の敷地が避難公園の候補地に当たってしまったためだった。
それでも、市民が神社を守りたいという熱い思いを持ち、神社の存続を求める運動を行い、市は21年に解体を撤回し、神社の存続が決定した。老朽化による修復費用の見積もりは約1400万円。募金やクラウドファンディングで復興基金を募り、費用の調達に成功。昨年から大規模な修復工事が行われ、先日、完了した。
オカルト評論家の山口敏太郎氏は「妖怪の金長狸とそれを応援する市民たちが立ち上がった“妖怪市民運動”です。寺社仏閣や目に見えない存在の意義を見いだすことに成功した貴重な運動です。日本人の心にまだ超常的な存在をあがめ奉る気持ちが残っていたのでしょう。今回、僕もポケットマネーから少額ながら寄付をさせていただきました。全国の妖怪史跡を守ろうとしている人々も勇気をもって戦ってほしいです。妖怪は死なないのです」と語った。












