俳優の篠山輝信(42)が2日、東京地裁の司法記者クラブで元所属事務所を相手取った不当利得返還請求訴訟の判決後会見を行った。

 篠山は受け取った出演料に消費税分が含まれていなかったとして元所属事務所を相手取り約497万円を返還するように求めた。東京地裁は同日、約206万円を支払うよう事務所に命じた。

 判決を受け篠山は「これは単なる私個人の勝訴ではありません。十分な説明がないまま一方的な方針を押し付けられ、声を上げることすら難しかったすべてのタレントたちにとって希望の光となる判決です」と涙を浮かべた。

 篠山は2004年に同事務所に所属し俳優活動を開始。営業活動や契約交渉を事務所に委ねてきたが、23年にインボイス制度導入をきっかけに報酬の支払われ方について大きな疑問を抱くことになった。

 事務所が作成した制作会社への請求書には篠山の出演料の「本体価格」に消費税が「外税」として上乗せされて請求されていた。しかし、篠山に毎月届く支払い明細書の金額は消費税が含まれていない「本体価格」に相当する額のみが支払われていた。篠山は長年、受け取っていた報酬を「消費税込み」のものと信じ、個人事業主として自ら消費税の確定申告を行い、納税していた。

 事務所の担当者に確認したところ「税務の煩雑さを避けるため」という会社の方針であり、所属タレントに事前の説明をしていないことが判明。そして異議を唱えた篠山に対してのみ「今後の支払いは消費税込みに変更する」という連絡があったという。この対応を受け篠山は「この問題を、私個人の条件面での解決で終わらせてはいけないと確信しました」と訴訟を起こした理由を明かした。

 事務所と所属タレントに力関係があり、声を上げづらいという環境もある。異議を唱えたことで影響を受けたかと問われた篠山は「分からない」と回答。一方で「分からないことが問題」とも述べた。「異議を唱えたのが23年11月で事務所を辞めたのが1年後。その間に継続していた仕事はやりましけど、事務所が新規に獲得してきた仕事は0件。異議を唱える前と比較して営業を行っているんだろうかという疑問は持ってるんですけど。確認のしようがないので分からないという回答になります」と答えた。

 篠山が所属していた事務所である株式会社スペースクラフトは「詳細が分かっておりませんので現時点でのコメントは控えさせていただきます」とした。