【第9回 上を向いて歩こう うつ病にならないように♪】

 新年度になってまもなく2か月がたとうとしています。環境の変化や毎日の激しい寒暖差で「心も体もギリギリ」と嘆く人が私の周囲にも急増中。そんな時は、休んだり逃げたりしてOK! 我慢していて振り切っちゃうと、リカバリーが大変なのが更年期世代です。意識して休養を取るようにしましょう。

 ストレス、睡眠不足でテストステロンが下がってくると、やる気も元気もなくなり、次第にうつ症状が強くなってくるのが特徴です。そこで、注意してほしいのが男性更年期とうつ病との鑑別です。「気持ちがふさぐ」「体がだるい」「眠っても疲れがとれない」といった症状が出た場合、「うつ病かもしれない」と心療内科に駆け込んでしまうケースがあります。うつ症状の原因がテストステロン低下によるものなら、抗うつ薬を処方されて服用しても改善しません。それどころか抗うつ薬の服用で、いっそうテストステロンが下がり、症状が悪化します。

 うつ症状で困った時に、心療内科に行くか男性更年期外来に行くかの判断のポイントは「男の生理=朝立ち」の有無。朝立ちはエロとか無関係の勃起でテストステロン低下の一番わかりやすいサインです。「言われてみると、確かに最近ないかも…」という男性は結構いらっしゃいます。

 男性更年期外来やメンズクリニックへ足を運んで医師に症状を話し、「フリーテストステロン値」を測れば、男性更年期かそうでないかは判明します。男性更年期障害の診断がつけば、医学的な対応で改善が期待できます。生活習慣改善、漢方薬、保険適応範囲でのテストステロンのクリームなど、選択肢は豊富。いきなり注射というわけでないのでご安心を。

 問題なのは、男性は病院に行きたがらないこと。特に泌尿器科はその響きのせいなのか、ハードルが高いと聞きます。ですが、「元気を取り戻せるチャンス」と思って、ひとりぼっちでも、気持ちだけは上を向いて病院へ行っていただきたいです。どんな病気も早期発見・早期治療! 

 ☆くまもと・みか 医療ライター。男性医学の父・熊本悦明の二女。男女更年期、性感染症の予防と啓発、性の健康についての記事を主に執筆。2019年に山手線内で心肺停止で倒れた経験から、救命救急、高次機能障害、リハビリについても情報発信している。著書に「山手線で心肺停止!アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて」。