本格的に花粉も飛び始め、いよいよ春本番。そうなると気になってくるのが、冬の間に蓄えた贅肉である。カロリーコントロールをするため、フルーツ味のノンアルコール飲料にしたものの、なかなか結果が出ない。いや、それどころか体重が増えているではないか。砂糖不使用で糖質ゼロと書いてあるのに! ドクターにそうボヤくと、「人工甘味料による甘味が影響している」という。

 基本的に、人工甘味料は血糖値を急上昇させることはない。しかし、甘味を感じた瞬間、脳は糖が入ってくると予測し、先回りしてインスリンを分泌してしまう。この反応は「セファリック相インスリン分泌」と呼ばれ、一部の人で確認されている。

 さらに怖いのは、甘味が脳の報酬系を刺激する点だ。甘味はドーパミンを分泌させ、快感を生む。本来なら糖が入り、エネルギーとして利用されることで満足感が得られる。ところが人工甘味料はカロリーが伴わない。そのため満足感が得られず、結果として食事量が増え、太ってしまうのだ。

 実際、アメリカの大規模追跡研究では、「ダイエット飲料を日常的に飲む人ほど肥満の割合が高い」という報告もある。ただし、現時点で因果関係は不明確。それでも、甘味が食欲や摂食行動に影響を与える可能性は、複数の研究で示唆されている。

 こういう話を聞くと、「だったら、普通に酒を飲んだほうがいい」と思うが、それでは元も子もない。甘味の強いノンアルコール飲料を飲む場合は、空腹時に飲まないようにすればいい。空腹時に甘味を摂取すると、食欲が増してしまうからだ。食事と一緒に飲めば、過食を防ぎやすくなる。

 ノンアルコール飲料は、アルコールによるカロリーオーバーを緩和する有効な選択肢。しかし、「砂糖不使用だから安心」と思い込むのは危険である。体重管理において本当に重要なのは、糖質オフやカロリーだけではない。食欲を刺激する「甘味」との付き合い方こそが、春の体形を左右するのだ。