自民党、公明党は同性婚カップルや性的少数派の理解を促す「LGBT理解増進法案」の修正案を議員立法として18日、衆議院に提出した。

 一方、立憲民主党、共産党、社民党の野党3党は同日に一昨年、超党派「LGBTに関する課題を考える議員連盟」でまとめた法案を提出。LGBT法案をめぐり2つの法案が国会で同時に提出される異例の事態となった。

 自民、公明両党は広島で19日に開幕する先進国首脳会議(G7サミット)前の法案提出に間に合わせた格好。日本維新の会と国民民主党は、これらの法案が一般女性の権利侵害につながることを心配して、独自の対案や修正を模索している。

 しかし、与野党の共同提出に至らなかったことで、永田町関係者からは「今国会での成立は不透明な状況だ」と指摘されている。

 立憲民主党の石川大我参院議員(48)は超党派でまとめた法案を国会提出後、「国会の中で、唯一、私1人がLGBT当事者の議員、ゲイの当事者、男性同性愛者の当事者ということをお伝えしたいです」とした上で「LGBT法案に関しては当事者の方たちと議論を重ねてきた。その中で私たちが提出したこの法案が、ぎりぎりのラインでした。当事者の人たちは、差別禁止を作ってもらいたいという希望がありました。自民党には最低限ここの部分(差別禁止)だけは受け止めてもらいたい」と語った。

 自民党の修正案については「自民党案というのは悪質です。理解増進法案にはなっておらず、理解を後退させるもの、差別を是認するものだと強く思っています」と批判した。