【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#518】近年、目覚ましい発展を遂げている分野にAIとその関連技術がある。現在、多くの人が利用しているチャット型OpenAIのChatGPTや、グーグルが間もなく発表するというAIチャットボットBard、また画像生成AIなど、AIはますます日常生活に溶け込んできている。
ところが、AIが急成長を遂げる中で出てくる弊害もある。例えば、存在しない事柄や事件をあたかも現実に起きたことのように文章に組み込んできたり、画像を生成するAIが学習過程で取り込んだ画像の著作権問題などだ。
そして、AIはオカルト業界にも影響を及ぼしつつある。事実、海外のUMAの専門家が「ネット上に氾濫するAI生成画像がUMAの調査の妨げになる」と警鐘を鳴らしているのだ。
この主張は長年、アメリカでビッグフットを研究し、UMA調査団体「ザ・クリプト・クルー」の創設者であるトーマス・マーカム氏によるもの。彼はフォトショップなどのツールが一般化し人工知能の精度が上がってきたため、ビッグフットやネッシーなどの、とらえどころがないUMAの画像を検証することが「非常に困難になってきている」と明かしている。
マーカム氏は英紙デイリー・スターの独占取材に対し、最新のネッシー画像を検証して次のように答えている。
「この最新のネッシーの画像とされるものは、残念ながら被写体が遠すぎて、詳細が分かりません。フォトショップで作成したものではなさそうですが、このくらいの距離であれば船でも木でも、ネッシーでも何でも言えてしまいそうです」
その上で、マーカム氏はこの写真からネッシーかどうか判断するには難しいと結論を出していた。
マーカム氏はこれらの合成されたり、AIで作られたリアリティーのある画像がネット上に頻出していることにも言及。「専門家の努力にもかかわらず、近年の合成画像やAI生成画像の判別は難しく、本物と偽物が混在することがUMA研究における課題となっている」と述べる。
「ビッグフットを追うUMAのコミュニティーでは、ほぼ毎日、AIによるデマの投稿と検証が行われています。今後、AIの性能が上がれば上がるほど、偽物を見破るのは難しくなるでしょう」
一方で、目撃証言の再現画像や、イメージ画像などの作成には役立っているとも。
UMAやUFO、心霊などの分野は昔からデマやフェイクとの戦いだった。実在を検証するには、膨大なトリックやフェイク画像の中から本当に信ぴょう性の高いものを選び抜かなくてはならない。今後、AIが生成した画像や文章を検出する技術が出てくるのかもしれないが、それまではなかんか厳しい状況が続くのかもしれない。













