実業家になっても戦い続ける理由は…。格闘技イベント「RIZIN.42」(6日、東京・有明アリーナ)に、K―1・MAX世界トーナメント2004、06年王者のブアカーオ・バンチャメーク(40=タイ)が参戦し、キックルールで安保瑠輝也(27)と対戦する。

 かつて「ブアカーオ・ポー・プラムック」のリングネームでK―1に上がり、魔裟斗らと激闘を繰り広げ人気選手になった。日本での試合は13年10月の佐藤嘉洋戦以来となるが「日本のファンには前と変わらないブアカーオを見てほしい。『この年になってもこんなに戦えるんだ』というところをぜひ見てもらいたい」と自信をみなぎらせた。日本を離れている間は「欧州で試合をすることが多かった。日本でなぜ戦わなかったか? 巡り合わせ。たまたまです。実は観光ではコッソリ来ていました」とほほ笑んだ。

 この10年で環境は大きく変わった。K―1時代は祖国の家族に仕送りする苦労人ぶりがクローズアップされたが、その後ビジネスで大成功した。ジム経営や格闘技ウエアの販売を行うほか、チェンマイで「ブアカーオ・ビレッジ」という観光施設を経営。約18万平方メートルの広大な敷地を誇る一大施設で、一般客もムエタイの練習体験ができるジムのほか、カフェや宿泊施設などを兼ね備える。

 こうして富を得てもリングに上がる理由を「戦うことが好きだからです。特にリングに上がり、みんなに応援してもらうことが好きなんです」と説明。「だからもう来年も試合の予定が入っていますし、現役を辞めるつもりは全くありません」と生涯現役を貫くつもりだと強調した。

 継続参戦に「今回の試合が終わってからですが、そこでRIZINと今後の契約について話すことになると思います。総合格闘技や新ルール参戦? それも合意次第です。納得できれば全く問題ない」と前向き。久々に日本のリングに上がる、レジェンドの動向に注目が集まる。