5月6日のチャールズ国王戴冠式まであと1週間を切ったが、式典に要する最終的な費用は実に約2億5000万ポンド(約428億5224万円)にまで膨れ上がることが分かった。30日に英紙エクスプレスなどが伝えた。

 もっとも大きな割合を占めるのが警護費で、1億5000万ポンド(約257億1134万円)にも上る。何千人もの警察官と警備隊の配備に充当され、残る1億ポンド(約171億4890万円)が戴冠式式典と、3日間に渡って行われる祝賀会の開催に費やされる。

 1953年のエリザベス女王戴冠式の際の費用は157万ポンドだったが、現在の約4700万ポンドに相当するというから、実に約5倍もの費用を要することになる。

 もっとも70年前とは時代は大きく変化し、テロ行為など治安上の脅威は無限に増大している。内務省の情報筋によると、世界中から来賓する各国のVIPのため、特別な航空管制スケジュールが作成されているという。加えて国内で計画されている多数の抗議活動への対策も含めたため、警備費中心にイベントの費用は、以前の見積もりである1億ポンドをはるかに超える結果となった。

 警備体制は徹底したもので、4日からはミドルセックスのRAFノーソルトとベッドフォードシャーのRAFビグルスウェイドを含む着陸スポットは、セキュリティが強化される。

 また過激活動家によるイベント妨害を阻止するための大規模な作戦コードネーム「ゴールデン・オーブ作戦」には、屋上での狙撃兵、路上での膨大な数の武装警官、不審者を監視する警察の無人偵察機が含まれるという。また特殊部隊も英国の対テロ防衛メカニズムの一環として待機。外敵からの攻撃に備えてブルーサンダー2ヘリコプターを待機させる模様。さすが007の国だ。

 12年のロンドン五輪時緊急事態対策の責任者でもあるマーク・スコーラー氏は、ミラー紙に対し「戴冠式の日には、CBRN全体(化学、生物、放射線、核)のユニットがロンドン中に配置されます。弾薬技術官が配置され、銃器部隊が倍増し、勤務中の公務員は驚異的な数になる」と語っており、救急車サービスは取り組みを4倍、消防および救助サービスは取り組みを2倍にするという。

 完璧な対策ではあるが膨大な費用は国民の税金からねん出されるため、かねて王室のスリム化を訴えていたチャールズ国王は無念の思いだろうが、世紀のイベントだけにテロ行為などを防止することが先決。1人の犠牲者も出すことなく無事に式典を終えてほしいところだ。