〝元気玉ポーズ〟に込めた思いとは――。キックボクシングからボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)がデビュー戦の秘話を明かした。8日に行われた与那覇勇気(32=真正)とのスーパーバンタム級6回戦(東京・有明アリーナ)で快勝。その裏には〝神童〟らしい仕掛けがちりばめられていた。

 キック時代と同様に相手を寄せ付けなかった。那須川は1ラウンド(R)から軽やかなステップと多彩なパンチを披露し、2Rには相手の攻撃を空振りさせてから右フックでダウンを奪取。KOこそならなかったものの、判定3―0で完勝を収めた。一夜明けた9日の会見では「ホッとしました。この半年、昨日のためにずっと生きてきたので。そこで結果を出せたのがうれしかった」と笑顔を見せた。

 その神童が、デビュー戦の秘話を披露。試合前に名前を呼ばれると、両手を上に掲げてから前に差し出すポーズを見せた。これは人気漫画「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空の必殺技「元気玉」のしぐさ。周囲の人間や生物からエネルギーを借りて放つ技になぞらえ「ファンと共にボクシングに臨む」との思いを込めた。試合前日の入浴中に思いついたといい「『みんなのパワーをもらいます』みたいな。元気玉だったらみんな分かるし、海外の人も知っているので」と説明した。

 続いて言及したのは試合中に放った大振りアッパーの秘密だ。与那覇が「ヨナッパー」というオリジナルのアッパーを得意にしていると知り、事前に「俺もやろうと思ってたんですよ」とニヤリ。しかし、満を持して振り抜いた結果は「思いっきり外しちゃって…。『外したー!』って思って、あの後、笑ってるんですよ」と頭をかいた。

 さらに、今回のデビュー戦に向けて大物格闘家とエールの交換をしていたことも告白した。8日(日本時間9日)の「UFC287」(米マイアミ)でアレックス・ペレイラ(ブラジル)へのリベンジを果たし、UFC世界ミドル級王者に返り咲いたイスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)とSNSで交流がある。今回も「アデサニヤから『頑張れよ』みたいな連絡が来たんで『次、ペレイラに勝つのを信じてるよ』って。そういう会話をしました」と互いに鼓舞し合っていたことを明かした。

 規格外のデビューで躍動した神童。今後も話題を振りまいてくれそうだ。