エンゼルスの大谷翔平投手(28)は5日(日本時間6日)に敵地シアトルでのマリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で先発登板し、6回を投げて3安打1失点、8三振6四死球で今季初勝利を挙げた。寒さと史上初の投打のピッチクロック違反に悩まされながらの粘りの投球が実った。打者では2打数1安打1打点、2四球。7回に2番トラウトの遊撃への適時内野安打に続いて左前適時打を放ち、自らを援護すると同時にチームを勝利に導いた。快進撃が始まる――。

 苦しいマウンドだったが、最終イニングの6回は3者連続三振斬りで締めた。6回先頭ヘルナンデスはスイーパー、続くウォンは落差59インチ(約150センチ)のカーブ、二死、25人目の打者ポラックを内角低め、20インチ(約50・8センチ)横滑りするスイーパーで空振り三振に仕留めると力強く拳を握った。

 立ち上がりから制球が定まらず先頭から2者連続四球。3番スアレスに初球のツーシームを右前に運ばれ、先制点を許した。一走が本塁で憤死して一死二塁で4番ローリーの初球前に今季から導入されたピッチクロック(走者なしで15秒以内、走者ありで20秒以内で投球する)違反で1ボールが宣告された。結局、2者連続三振で追加点は与えなかった。

 2回も四球と安打で二死一、二塁と走者を背負うもロドリゲスを一ゴロ。3回はメジャー移籍後初の1イニング2死球と3四死球で二死満塁のピンチ。ポラックを三ゴロに仕留めたが、25球を費やした。ここまで計69球、米投球データ分析サービス「コーディファイベースボール」の公式ツイッターによると、3回で69球はメジャー最多だ。

 4回は先頭に安打されるも一ゴロ併殺打と三振で無失点。5、6回は三者凡退だった。

 この日、苦戦したのはピッチクロックと寒さが影響したようだ。開幕戦ではテンポ良く投げていたが、マリナーズ打線相手に投げ急いでいたように見えた。また、気温10度の寒さにもかかわらず、屋根を開放。米メディアなどによると大谷がメジャー移籍後、気温10度で投げるのは初だという。マウンドで何度も指に息をかける場面が見られ、ピンチでギアを上げても最速98マイル(約157・7キロ)止まりだった。

 打者でも苦笑いする場面が。6回無死一塁では初球を構えるのが遅かったため、ピッチクロック違反(打者は残り8秒までに準備)で1ストライクのペナルティー。史上初の投打でピッチクロック違反となった。

7回にタイムリーを放つ大谷翔平
7回にタイムリーを放つ大谷翔平

 一方、7回はトラウトの遊撃への適時内野安打で1点を加えて、なお二死一、二塁で貴重な適時打。4番手の右腕ムニョスにカウント1―2と追い込まれるも外角低めのスライダーを体を開かずに流し打ち。三遊間に寄っていた三塁手のグラブをかすめるように左前に抜けた。自身のバットで援護点を挙げた。2日(同3日)のアスレチックス戦のような本塁打連発ではないが連続適時打。「トラウタニ」は間違いなくメジャー最強コンビだ。ちなみに今季、大谷が打点をマークするのは4試合目だが、チームは全勝。必勝神話を継続していきたい。

 苦しみながら手にした今季初白星は投打二刀流の強みを発揮した格好だ。チームは開幕から2カード連続で勝ち越す好発進。大谷とトラウト、もちろんエンゼルスにとっても悲願の2014年以来、9年ぶりのポストシーズン進出へ白星を積み重ねていく。

ベンチへ戻る大谷翔平
ベンチへ戻る大谷翔平