さすがの〝勝負強さ〟だった。競泳の日本選手権初日(4日、東京アクアティクスセンター)、女子100メートルバタフライ決勝が行われ、東京五輪代表の池江璃花子(22=横浜ゴム)が57秒68で優勝。派遣標準記録(57秒92)を突破し、7月の世界選手権(福岡)切符を獲得した。
表彰台のテッペンに立つ自信があったかと言えばウソになる。「自分は池江璃花子なんだ」。白血病を乗り越え、東京五輪出場を果たすなど、大一番で結果を残してきたスイマーの矜持を信じた。
序盤からライバルたちにリードを許す展開だったものの、ゴール直前で3番手から一気にトップへ躍り出た。「タッチした時は、自分が一番だと思っていなかった。派遣も切っていると思わなかった。とにかく優勝できたことが一番うれしかった」。ゴール後には水面をたたき、全力で喜びを表現した。
2019年2月に白血病を発症後、個人種目での日本代表入りは初めて。世界選手権も17年大会以来、6年ぶりとなる。世界の猛者たちとの戦いを前に、まだまだ差があることは理解している。しかし、確かな手応えをつかんだレースとなった。「1つ自分の中の競技に復帰してからの考え方だったり、モチベーションだったり、世界にチャレンジするという意味では、すごく大きな一歩を踏み出せた」。世界の頂へ、新たな物語が幕を開けた。













