フィギュアスケートの世界女王・坂本花織(22=シスメックス)のジャンプは〝好奇心〟が生んだたまものだった。

 スピード満点のダイナミックなジャンプが持ち味の坂本は、世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)でショートプログラム(SP)首位で迎えた24日のフリーで145・37点をマーク。合計224・61点で男女を通じて日本勢初の連覇を達成した。後半の3回転フリップ―トーループの連続ジャンプで、フリップが1回転となった悔しさから涙がこぼれたものの、堂々たるパフォーマンスだった。

 24日のフリーではミスが出たとはいえ、2位に入った李海仁(イ・ヘイン、17=韓国)は「スケーターの場合は、ジャンプに入る時は減速しがち。それから体も緊張して硬くなりがちだが、彼女の場合はそれが全くない」。ライバルもダイナミックなジャンプを大絶賛するほどだ。

 そんなジャンプの原点はどこにあるのか――。坂本は「中学の時にクラブの合宿で先生に『勢いよく滑って、減速せずに跳びなさい』と言われた。めちゃくちゃ怖かったけど、慣れてきて快感がスゴかった。試合でやったらどうなるかという好奇心から、こういうジャンプが生まれた」と明かす。

 勇気を振り絞って跳んだジャンプが、のちの坂本の長所となったわけだ。「自分はジャンプしか取り柄がないと思っていた。それを極めてきてシニア6年目くらいで(出来栄え点)プラス5が並ぶようになった。自分の武器が点数で表れて自信につながる」。試合に挑む上で、ジャンプは大きな得点源。取りこぼしをなくし、確実に点数を積み重ねているのだ。

 快挙から一夜明けた25日には「来季も一番大きい大会は世界選手権になると思うので、1年後に向けてしっかり調整して、自分らしくしっかり戦っていけるようにしたい」と力強く決意。ダンスやバレエを取り入れながら、表現力も磨いていく方針を示した。

 追い求めるのは完璧な演技。飽くなき探求心で女王の座を揺るぎないものにする。