大相撲春場所10日目(21日、大阪府立体育会館)、幕内翠富士(26=伊勢ヶ浜)が小結翔猿(30=追手風)を〝珍手〟で撃破。初日から10連勝でVレース単独トップを守った。

 相手にまわしを許しても慌てず、左で相手の上手をつかみながら、右でハズに押して寄り切った。決まり手は珍しい「割り出し」。格上の三役を相手に、11年ぶりとなる〝珍手〟を繰り出して好調ぶりを示した。

 取組後は「自分でもこんな勝てると思わなかった。『おおっ!』って思う」と、笑顔で10連勝を振り返る。ツイッターでトレンド入りした「割り出し」についても「何年ぶりとかと聞くと、やっぱ、うれしい。特に狙っているわけではなく、勝手に反応してそうなった」と明るく声を弾ませた。

 1敗で追っていた小結大栄翔(追手風)が関脇豊昇龍(立浪)に敗れて2敗目。2敗には大栄翔、琴ノ若、遠藤が並んだが、全勝の翠富士とは2差になり、いよいよ初優勝が見えてきた。

「(LINEなどで)いつもより連絡が多いんでありがたい。このままいっぱい連絡が来るようになりたいなと思う」と笑みを浮かべるが、師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)からはまさかのひと言も…。

「昨日、師匠に『おかげさまで勝つことができました』と言ったら、『お前、勘違いすんなよ』と笑いながら言われた。勘違いはしていないが、『ええっ!』となった」

 171センチ、117キロと幕内最小兵ながら、陽気なキャラクターで人気も急上昇。横綱・大関不在の春場所に新風を吹かせている。