議場での陳謝をドタキャンしたガーシー(東谷義和)参院議員(51)に対し、15日にも懲罰処分を決める本会議が開かれる方向で、議員バッジがはく奪されるXデーは待ったなしとなった。懲罰委員長の鈴木宗男参院議員(75)は8日、取材にガーシーに裏切られた形となったことにその胸中を明かし、ことの重大性を説くとともに警視庁の捜査に応じていないことにも言及した。

 昨夏の参院選に当選してから国会に登院していなかったことで、「議場での陳謝」の懲罰が決定したガーシーは「懲罰に応じる」と返答していたものの7日になって「帰国できない」と表明。8日の本会議を欠席し、尾辻秀久参院議長は「院内の秩序を乱すものと認める」として、再度の懲罰処分の審査を求めて、懲罰委に付託した。

 本会議後に取材に応じた宗男氏は「今日の本会議で陳謝すると本人から秘書を通じて、連絡があったのに実行しない。約束を守らない。これだけでも論外です」と約束をほごしたことに信じられない様子だ。

 続けて宗男氏は「(登院しないことで)当初から厳しい声があった。しかし、私は選んだ人たちの立場、(ガーシーが)民主的な手続きで選ばれた重みを考え、手続きを踏んでやってきた。全会一致で陳謝になったが、こういうことを全く顧みない。何をやっているんだ、何でもたもたしているんだとわれわれは一般の人から批判されたが、民主主義は手続きだし、選ばれた者の責任はもちろんだし、選んだ人の立場もある。きちっと忖度して、手続きを取ってきたが、それを全く守られなかったことはざんきに堪えない」とじくじたる思いだという。

 ガーシーは7日に滞在先のトルコから陳謝文を読み上げ、「この若輩者にもう一度だけチャンスを、猶予をいただければと思います。何卒よろしくお願いします」と泣きを入れた動画を製作し、議院運営委員会と懲罰委宛てに提出したが、受け取られることはなかった。宗男氏は動画について「見ていない。また尾を引くから」とこの期に及んでの特例は認めずに粛々と手続きを進めるとした。

 今後は10日正午までにガーシーの弁明を再度聞き入れ、14日に懲罰委が開かれ、新たな処分が決定する見込み。早ければ翌15日に参院本会議が開かれる。除名の処分となった場合は、本会議で出席議員の3分の2以上の賛成で、可決される。現時点では、山本太郎氏率いるれいわ新選組が棄権を表明し、社民党の福島瑞穂党首が「慎重に議論すべき」と話している。可決は不可避の状況だ。

 俳優の綾野剛らから名誉毀損で刑事告訴されているガーシーは帰国できない理由として、司法当局から不当な扱いを受けることを挙げている。宗男氏は〝ムネオ事件〟で全面無罪を主張するも収監された憂き目にあった過去があるが、司法当局を極度に恐れているガーシーに対してはこう忠告した。

「(任意の事情聴取は)法律に基づいて応じるのは当然ですよね。それを恐れて、帰国しないというのは国会とは関係ない話で、そこら辺の仕分けができていないだけでもどうなっているんだろうというのはある。警察は本人に連絡をしていて、3月に帰るので、その時まで事情聴取は待ってくださいと言ったんでしょ?」

 この件でも警視庁との約束をほごしているガーシーに対し、宗男氏は首をかしげ、早期の帰国を促していた。