【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#505】未確認生物の中にはネットで大きな注目を集め、新たな生物や都市伝説だと話題になるものも少なくない。SNSが浸透してからは、その拡散と周知のスピードは一昔前よりも大幅に加速している。
1月31日、日本のツイッターで奇妙な生物の動画が注目を集めた。
密林の獣道をかっ歩する生物をとらえた映像なのだが、その生物の姿が地球上のどの生物にも似ていない。手足は無数の吸盤やイボ、長い毛に覆われた触手のようで、体の横には1対の大きな翼のように見えるヒレがある。ヒレや尻尾は大きく広がったり、伸びたりする様子が見え、体色も褐色から白へ変化している様子が確認できる。体の毛は触覚なのだろうか、タコなどのように気分や警戒心によって姿が変化する生き物なのかもしれない。周囲を警戒しているようでもあるが、大きな岩を乗り越えようとして足を滑らせる様子は愛嬌すら感じる。
果たしてこの「密林の触手生物」の正体は何なのか。既知の生物とはまったく違う体の構造をしているため、新種の生物か、UMAではないかと話題になっていた。
だが、映像を見てすぐに気づいた人もいるかもしれないが、この生物は実在の生物ではない。アーティストのトビアス・グレムラー氏が作成したCG作品なのだ。彼は3Dアニメーションとビデオ技術を駆使して、視覚的な作品を世に多数産み出しているアーティストである。この奇妙な生物の映像も、彼が数か月かけて作成した作品なのだ。ちなみに昨年11月の段階で、彼は彩色やテクスチャの貼られていない状態のこの生物のCGをツイッター上に掲載しており、そこでは「生物の形や動き」を探求している旨が並記されていた。なお、習作の段階でも既にかなり生物らしい動きをしている様子が見て取れる。
ちなみに1月30日にツイッターにアップされた動画は、2月1日16時の時点で15万件以上の〝いいね〟を獲得している。グレムラー氏は多くの人から寄せられたコメントに対しても快く答えており、「(この生物の)体から生えている毛はネコのひげのようなものです。翼はベルベットの皮でできた角から進化しました」などと設定をツイートしていた。日本でもこの動画がツイッターで拡散されたようだが、動画のみが注目された結果、謎の触手生物という形で話題になってしまったようだ。
少し前では、海外で注目された動画が日本に到達するまで数日から数か月はかかったものだが、近年では海外でバズるとその日のうちに日本に波及し、大きな反響を得たりする。流れてくる情報の真偽を見極める必要があるが、興味深い情報が早く届くという点ではうれしくもある。今後も新たなUMA情報が筆者の元に届くことを期待したい。












