鈴木俊一財務相は2日、衆院予算委員会で、子どもの数が多い世帯ほど所得税の負担が軽減される「N式N乗方式」の導入について言及した。

 このN式N乗方式とはフランスで導入されている税の制度で、子どもなど扶養家族が多いほど世帯の所得税の負担が軽減される少子化対策の1つとされている。

 N式N乗方式の導入をめぐっては、自民党をはじめ、日本維新の会や国民民主党などが訴えている。

 鈴木氏は「現在の個人単位の課税を世帯単位の課税にあらためるものに加え、共働き世帯が有利になることや高額所得者に大きな利益を与えることになるなど、さまざまな課題がある」と答え、慎重に検討すべきだという意向を示した。

 立憲民主党の長妻昭政調会長はこの日、国会内で開いた会見で、N式N乗方式の党してのスタンスについて「まだ党内で正式に議論しているわけではないので、まだ党の見解は出ていません」とした上で、共働き世帯よりも夫婦のどちら1人が働く世帯が有利になったり、高所得者ほど負担が軽減されることで「格差の拡大につながる可能性がある」と指摘した。

「財源が同じであれば、どういう使い方が必要になるかを格差を是正するという立場から総合的にみていかないといけない。メリットとデメリットを冷静に考えていく必要がある」(長妻氏)

 政府は少子化対策の中で、経済的支援と育児施設の整備、育休取得者の仕事復帰への支援を包括的に整備しようとしているが、フランスの少子化対策に乗っ取った感が否めていないと指摘されている。

 長妻氏は「フランスでやっている少子化対策が日本で効くかというとそうではない。注意しなけれいけないのは、日本の少子化対策は欧米のマネをしている。フランスのマネをしても対策を誤るということを政府に強く申し上げたいです。例えば、フランスでは生まれる子どもの6割近くが法律婚でないところから事実婚のような形で生まれている。日本は、法律婚でほとんど子どもが生まれる。フランスでは法律婚を推進する政策がないんです。日本では結婚を望んでも、それは叶わない、それを阻む壁を取り除く政策が重要になる。そこの違いが大きくあります」と語った。