第168回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日に都内で行われ、芥川賞は井戸川射子氏(35)の「この世の喜びよ」と佐藤厚志氏(40)の「荒地の家族」の2作が受賞。直木賞も小川哲氏(36)の「地図と拳」と千早茜氏(43)の「しろがねの葉」の2作が受賞した。

 直木賞を受賞した千早氏は「全然取れると思ってなかったのでちょっと呆然としてる感じで今、見てる景色が脳内で処理できてない感じです」と話し、笑いを誘った。

 受賞作の「しろがねの葉」は戦国末期の石見銀山を舞台に天才・山師に拾われて育てられた少女ウメの生き様を描いた大河長編。選考委員の宮部みゆき氏から「土と血の匂いがする筆力は千早さんならでは」と評価されたことについて「小説は紙に書かれた色も匂いもない、ただの文字ですけど。そこから匂いとかが立ち上ってくるようなものが書ければいいなっていつも思っております」と話した。

 改めて受賞の感想を問われ「大きな賞は縁がないかなと思ってたんですけど。このような評価をいただいてうれしく思ってます」と喜んだ。

 続けて「すごいネガティブなのでいいことがあると悪いことが起きるんじゃないかと今、すごい怯えてるんですけど(笑い)。今日ぐらいは何も心配せずに安心して寝ようかなって思ってます」と笑顔を見せた。