【カタール・ドーハ15日(日本時間16日)発】窮地の「10番」MF南野拓実(27=モナコ)を大舞台で生かす意外な起用法とは――。森保ジャパンはカタールW杯(20日開幕)に向けて体調不良のMF三笘薫(ブライトン)を除く25人がそろい、初めて非公開練習も実施した。いよいよ実戦モードになってきた中、注目を集めるのが不振の続く南野だ。一時はエースだった男は初のW杯で輝けるのか。その重要ポイントを恩師が挙げた。

 ここまでわずか1得点とフランス1部モナコで苦しむ南野は、13日のマルセイユ戦でも出場機会がなかった。それでも徐々に出場時間は増えており、強度の高い練習も積めている。練習後には「フィーリングもよくなってきている。このままやっていければいい」と強気な姿勢を見せた。

 自身初のW杯で栄光の10番を背負う。「どんな人が今まで10番をつけてきたのか、もちろん、見ている。日本代表にとって重要な背番号。背負ってきた人たちに恥じないような姿を見せられれば。自分らしいプレーで自分の10番というものを」と大役を果たす覚悟だ。

 とはいえ、南野が主に起用される左サイドはMF久保建英(レアル・ソシエダード)や三笘らがいる最激戦区で序列は下。このままでは出番が訪れない可能性もある。

 だが、南野が輝く選択肢もまだ残されている。J1C大阪時代の恩師である村田一弘氏(現FC刈谷監督)は「もがいている段階だと思う。複数のポジションをこなしていると思うが、チームに貢献できるように必死にやっている姿と僕には映る」と指摘。その上でスタメンを争う三笘と比較した“長所”を「ハードワークができて真ん中も外もでき“中盤”もできる」と強調した。

 前所属リバプール(イングランド)時代には4―3―3のインサイドハーフで新境地を開拓。その際にユルゲン・クロップ監督が「プレーの仕方、適応性は良かった。タキ(南野の愛称)が、あのポジションで2回しかプレーしていないことを忘れないでくれ。彼のプレーは見違えるように良くなった」と絶賛するほどの適性を見せた。

 MF勢は遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)と負傷者が相次ぎ不安が増している。10番が新たな役割を担えば、穴も埋められる。前線のタレントたちとの併用も可能となる“ウルトラC”プランとなりそうだ。