J2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔(44)が10日に神奈川・横浜市内で引退会見を行い、26年間のプロ生活を回想した。今後は指導者として新たなサッカー人生を歩む中、神奈川・桐光学園高時代の恩師・佐熊裕和氏(現新潟医療福祉大監督)が中村の指導者としての適性の高さに言及。レジェンドの魂を受け継ぐ〝第2のファンタジスタ〟誕生に大きな期待を寄せている。
その表情は晴れやかだった。「本当にやり尽くしたという気持ち。自分でもホッとしているし、よかったという気持ちでいます」。
1997年にJ1横浜Mでプロデビューを果たすと、国内外のクラブで活躍。日本代表でも2006年ドイツ、10年南アフリカW杯を経験し、国際Aマッチ出場98試合で24得点を挙げた天才レフティーが、静かにユニホームを脱いだ。
ピッチに別れを告げ、指導の道に進む中村。恩師である佐熊氏は若い世代の育成にたずさわることに期待を寄せる。
「将来的にはJクラブの監督にはなると思うけど、僕らから見ていて育成年代でやってもらえれば、第2の中村が出てくるんじゃないかな。今はお金を払って見に行きたいなと思う選手がJリーグに少ない。育成年代は勝つよりはそういう選手をつくるのがメインテーマだと思うので」と胸を膨らませた。
サッカー界に数々の功績を残してきた中村だが、02年日韓W杯の代表落選など、多くの挫折も味わった。だからこそ、佐熊氏は指導者向きとの見方を示す。
「やっぱり選手の気持ちが一番近いところで分かると思うし、いろんな挫折をしてきたので、うまくいかないときのアドバイスができると思う」と分析。
さらに「海外で活躍したことは誰もが知っているけど、それにしがみついて何かをするという子ではない。サッカーを指導している指導者はだいたい経験値を積んでいくと型にハメてしまうことがあるけど、たぶん彼の中にはそういうのは全くないと思う。自分は自分、選手は選手、という見方ができる指導者になると思うので、より寄り添った指導ができるのでは」と指摘した。
中村の性格から、誰もが認める過去の栄光を引きずることも、自分のやり方を押しつけることもなく、選手を伸ばすことができるとみている。
節目節目で指導者に恵まれ、名選手に成長した中村は「自分が小学生から教わった先生、監督さんが自分にしてくれたこと、支えてくれたことを自分が指導者としてやることで恩返しになるのかなと思う」ときっぱり。ステージは変わっても、サッカーへの情熱が衰えることはない。















