新生・岡田阪神がついに本格的に動き出す。1日に秋季キャンプ地の高地・安芸に到着した岡田彰布新監督(64)は「技術をバンバン上げていけば、若い選手も戦力になる。高卒の若手がレギュラーに食い込んできてほしいよな。おーん」と鍛錬の秋へやる気満々。大山、梅野らアラサーの主力選手も数多く参加する中、地道な反復練習を積み重ね、チーム最大の課題である守備力の向上に取り組むことになる。

 18年ぶりとなる悲願のアレ(優勝)へ向け、百戦錬磨の老将がついに虎へ帰還。長年にわたり、何度も何度もあと一歩のところで覇権を逃し続けてきたチームだけに「来季こそは」と虎党の期待も高まる一方だが〝流行りもの〟に敏感な広告業界も、虎の新指揮官へ熱視線を送っている。

 岡田監督と言えば「ほんだし 関西名物 うどんおでんだし(通称=どんでん)」(味の素)のCM出演があまりにも有名。お笑い芸人の坂田利夫とともに「それなんでんねん?」「うどんでんねん」「うどんのおつゆなんでんねん?」「どんでんでんねん」と流麗なやりとりを繰り広げた姿は大きな話題を呼び、以降「どんでん」は岡田監督の愛称として、ファンの間で長く定着することになった。

 広告業界関係者は「あのCMでの坂田師匠とのやりとりは見事の一言でした。阪神の監督というネームバリューに加え、関西人然とした親しみやすいキャラクターは魅力的です。現時点でCM起用するとしても、ギャラは500万円から800万円はかかるでしょう」と分析した上で「もし阪神が今年アレを達成すれば、ギャラは倍額以上に跳ね上がることは必至です。1000万人近いファンを抱える人気チームの監督だけに訴求力は抜群。2000万円の大台に乗るかもしれませんね」と語る。

 87年にわたるチームの歴史の中で、阪神を2度優勝へ導けた指揮官は、2リーグ分立以降では藤本定義(1962年、64年)一人のみ。2005年に阪神最後の優勝監督として宙を舞った岡田監督が、来季セ界を制せば「どんでん様」の広告価値は跳ね上がること必至だ。来年こそは、札束の舞い乱れるウハウハな秋を迎えたい。