スピードスケート平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)が、数字にこだわらない理由とは――。
現役ラストレースとして挑んだ全日本距離別選手権2日目(長野・エムウェーブ)の500メートルでは、37秒49をマーク。8年連続13度目の優勝で有終の美を飾ったエースは「なんかまた明日滑っていそうな気持ちなんですけど、ここでスッキリ終わることができた。本当に気持ちよく次のステップに進むことができる」と晴れやかな表情で振り返った。
3度五輪に出場し、3個(金1、銀2)のメダルを獲得。平昌五輪で金を手にしたのは、31歳の時だった。決して若い年齢とは言えなかったが、4年後の北京五輪まで走り続けた。なぜ、ベテランの領域に差し掛かってもモチベーションを保つことができたのか。セレモニー後の会見に答えが隠されていた。
「自分のことは数字で評価しません。人生に満点はない。数字で計ってはいけない。そこで自分の限界を決めてしまうので」
どうしたら理想の滑りができるのか。小平を中高6年間指導した新谷純夫氏が「勝つことが目標になっていない。目指すところがスケーティングの完成や、より速く滑りたいというような方法を実践的に探って確かめてやっていた」と証言するように、常にまだ見ぬ世界を追い求めてきた。だからこそ、数字ではなく自分と戦ってきた。根底には「歩みを止めたら、そこで終わってしまう」との思いがあるからだ。
その姿勢は次なるステージでも変わらない。「自分にできることを模索しながらではあるが『知るを愉しむ』をベースにやっていきたい。スケートとか、スポーツとか、病院とか、学校とか、枠にとらわれないもっとボーダーレスな居場所がつくれたら。そんな未来を思い描いています」
今後のプランは検討中の段階。ただ、視線の先には早くも新たな道が広がっているようだ。











