総合格闘家の山本美憂(48)が、きょうだいへの思いを改めて語った。

 22日は東京・大田区の総合格闘技ジム「YSA」のリニューアルプレオープンを行い、関係者らに公開。2018年にがんで亡くなった弟の山本〝KID〟徳郁さん(享年41)が手がけた同ジムだが、昨年は大きな岐路に立たされていた。

 コロナ禍の影響で会員数が激減。山本は「20年の終わりごろから毎日ジムで選手を見ていて経営状況を間近にするようになって、これは本当に大変だなと。何とかしなきゃいけないけど、家族にも迷惑をかけられない。引き際を考えることもあったけど、選手を見ると閉めるのは違うなという思いから葛藤があった」と振り返る。

 そうした中、山本にとって米大リーグ・パドレスのダルビッシュ有の妻で妹の聖子さんは心強い存在だったという。「海外で生活するだけでも大変なのに旦那さんのサポートや聖子自身も(第5子の妊娠などで)精神的に大変なときにこっちの問題を話してしまった」としつつ「でも、一生懸命考えてくれて。そういう(ジム閉鎖の)選択もあるんだからねと。閉めたとしても徳(徳郁さん)は絶対わかってくれると、私を落ち込ませないように言ってくれて。それがすごく支えになった」と明かす。

 その後、昨年から山本のフィジカルコーチを務める佐瀬裕介氏が代表に就任するなど関係者がジム再建に向けて立ち上がり、この日を迎えた。

 同ジムは従来のMMA(総合格闘技)ジムとフィットネスジムに加えてサウナ&水風呂を新設。トレーニングだけでなくリカバリーまで可能になったが、生前の徳郁さんはまさにこの環境を望んでいた。「KIDは最期まで選手のことを考えていたし、そういう思いを聞いていた。今いたらどれだけ喜んでいたかなと。ジムが出来上がるたびにそういう気持ちになりましたね」

 一方、山本は「中身をしっかり作っていかないと」と今後の課題を口にする。「選手(育成)もそう。ここで(KIDに)怒られないように頑張ります。やっぱりKIDがいなくなって『KRAZY BEE』が停滞していると言われているのが悔しいし、それをKIDが聞いたらどう思うかなと考えたらと本当に何とかしないといけない」。きょうだいへの思いを胸に、生まれ変わった「YSA」で格闘技の第一線を走り続けるつもりだ。