やっぱり強かった。スピードスケートの全日本距離別選手権2日目(長野・エムウェーブ)、現役ラストレースに挑んだ平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(36=相沢病院)は、37秒49で優勝し、8連覇で有終の美を飾った。

 本当に最後なのか――。それを感じさせないパフォーマンスだった。20日の公式練習後の取材で「体の状態も含めて氷とのやり取りがマッチしてきた。この1週間は氷と意気投合している感覚があるので、最後まで仲良くしたい」と話していた小平は、スタートから抜け出すと、伸びのある滑りを披露。北京五輪同種目銀メダルの高木美帆(28=日体大職)にも先輩の意地を見せた形となった。

 この日は小平の姿を一目見ようと、会場は満員状態。スピードスケートの試合では「長野五輪以来ではないか」と関係者も目を細めるほど。かねて地元愛を貫いてきた小平の認知度は絶大で、ある地元関係者は「やっぱり長野での人気はすごいですよ。この日のためにカメラを新調するファンもいますから」と反響の大きさを語った。

 レース後のインタビューでは「本当に夢にまで見たような会場で最後滑ることができて幸せいっぱいです。本当のアスリートとしての小平奈緒を示すことができた」と神妙に語った。万来の拍手を浴びた小平の存在感は、まさに地元の英雄だった。