オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の〝百鬼夜行絵巻〟を作り上げている。第109回は「ひんべえ」だ。
 
「ひんべえ」は山奥のキャンプ場に住み着いている馬の顔をした妖怪である。人を脅かすだけで特に悪さはしない。

 設定は、NHKの人気子供番組「おーい!はに丸」に出てくるはにまるのお供の馬「ひんべえ」から来てるのではないかと推測できる。名前が一緒だし、顔つきが埴輪のような顔をしている点からしても、ほぼ間違いないのではないだろうか。

 テントを張っているとその隙間からテントの中をうかがう。これといって悪さはしない。ただ顔をのぞかせるだけである。この辺の行動は、今昔物語の説話に見られる妖怪「馬鬼」と同じ行動である。

 また、古くからの馬の妖怪といえば、「馬の足」「馬の首」「首なし馬」「のうま」「さがり」など多くのものがいる。現代妖怪としては「尻切れ馬」「田馬」「とびこんま」などがいる。

 やはり、古来、馬と人間は関係が深いのだろう。

【山口敏太郎】作家、ライター。著書「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」など200冊あまり。テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。ユーチューブでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中。