フィギュアスケート女子でロシアの有力選手であるエリザベータ・トゥクタミシェワ(25)が、11月中旬に予定される〝皇帝〟エフゲニー・プルシェンコ氏が主催するアイスショーへの参加を拒否することを表明した。

 ロシアメディア「スポーツタタールインフォーム」は「トゥクタミシェワがプルシェンコショーへの参加を拒否すると発表した」と報道。ショーは11月12日に開催される予定で、国際大会への出場が禁止されているロシアやベラルーシの選手たちが招待されているが、トゥクタミシェワはいち早く出場しない方針を明言したのだ。

 トゥクタミシェワは同時期に開催される国内大会への出場を優先させる意向としているが、プルシェンコ氏からの誘いを断った背景には伏線がある。春にプルシェンコ氏がウクライナ侵攻を支持するよう愛国心を煽るアイスショーを開催した際に、内容を知らずに参加したトゥクタミシェワは「アスリートの演技が(政治的な)操作や説得の手段になってほしくない。完全に混乱している」と猛批判。プーチン大統領による部分動員令を強く支持するプルシェンコ氏が再び同様のショーを開催することから、トゥクタミシェワは出場を拒否したとみられる。

 プルシェンコ氏の愛国心は、ロシアのフィギュアスケート界でも物議を醸しているようだ。