【取材の裏側 現場ノート】ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズ(46=米国)が、サウジアラビア政府系資本が支援する超高額賞金の新ツアー「LIV招待」へ対抗するための動きを活発化させている。

 昨年2月の自動車事故で右脚に重傷を負い、復活途上であるため、コース上では十分なパフォーマンスを発揮しきれていないが〝事務方〟として存在は際立つ。言うまでもなくウッズは7月の「全英オープン」開幕前の会見でLIV批判を展開するなど〝アンチLIV〟。自身は出場しない先週の米ツアープレーオフ第2戦「BMW選手権」開幕前にトップ選手を集めて緊急会議を行った。ウッズの求心力があるからこそ実現できたのだろう。

 会議ではさまざまLIV対策が議題となった模様で、24日に発表されたローリー・マキロイ(英国)と共同で創設したバーチャルシステムを駆使した新形式ツアー(2024年1月開幕)にも話が及んだようだ。こんな動きを踏まえて「事実上のコミッショナー」「陰のコミッショナー」と表現して報じる米メディアもあった。現コミッショナーはジェイ・モナハン氏だが、ウッズの前に存在感がかすむのは仕方ない。

 かねて米ツアーと「LIV招待」の勢力争いのキーマンはウッズと見られていた。スーパースターが支持する方が最終的に「勝つ」と指摘される中、これらの動きに記者はウッズの将来を見た気がした。第一線から退いたら本当のコミッショナーになる日がやって来ると確信している。

(ゴルフ担当・森下 久)