オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第100回は「田わらし」だ。

 カッパは通常、沼や池、そして川にいると思われるが、実はどこにでも生息しているようなのだ。山間部にもカッパはいる。山の田んぼに出現するカッパの妖怪が「田わらし」だ。別名「月のカッパ」と呼ばれることもある。

 実体はよく分からず、黒い影をしており、目で確認することができない。髪形はおかっぱというのは判別できるが、男なのか女なのか判別できない。田んぼに適応した結果、田んぼから田んぼへ泳いで渡ることができるという、なかなか面白い性質を持っている。

 なお、「座敷わらし」的な招福の役割も果たすらしく、田わらしが出た田んぼは豊作になるとされている。

 そのため、お菓子を飾って自分の田んぼに来てくれるようにお祈りするらしい。そうすると、うっかりつられてやってくるという。何やら座敷わらしとカッパのハーフのような妖怪である。

【山口敏太郎】作家、ライター。著書「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」など200冊あまり。テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。ユーチューブでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中。