東京五輪・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が受託収賄容疑で逮捕されたことを受けて、2030年冬季五輪招致を進める札幌市で〝汚職ショック〟の余波が続いている。

 24日に都内でパラリンピック1周年イベントが開かれ、会場には競技の体験コーナーや大会で使用された用具などが展示された。そうした中、札幌市東京事務所の職員らが冬季五輪の機運を高めるためブースを設置。職員の一人は「(先月の)五輪1周年イベントでもブースを設けました。道内や(札幌)市内では認知をいただいているので(開催の)意義を発信する機会が増えましたが、首都圏は招致に関する認知度がまだまだ低い。そこでより多くの人に知ってもらおうと思っています」とPRの意図を説明した。

 だが、ある地元関係者は「AOKIの件がね…」と頭を抱える。高橋容疑者が大会スポンサーの「AOKIホールディングス」から現金を受け取り、受託収賄容疑で逮捕された事件を挙げ「そういうカネ絡みで拒否反応を示す反対派も少なくない」と表情を曇らせた。

 そもそも札幌市が掲げるコンセプトは、お金のかからない「コンパクトな五輪」だ。「税金の投入は1972年(札幌五輪)の会場にもなった月寒体育館の建て替えのみ。これは五輪開催の有無にかかわらず建て替える予定。その他は既存施設の改修で済ませるし、運営費も含めてスポンサー企業にお願いする」(前出関係者)。それだけに、今回の汚職事件や国民の不透明なカネに対する不信感に「混同されている部分がある」と困惑を隠せない。

 札幌市が3月に行った意向調査で、市民1万人を対象にした郵送調査では開催賛成が52%だった。同関係者は「ギリギリだったなという印象。(賛成派が)最低6割を超えるようにしたい」と語ったが…。札幌に吹き続ける〝逆風〟は、いつまで続くのか。