驚異の「鉄人」だ。大相撲夏場所5日目(12日、東京・両国国技館)、幕内玉鷲(37=片男波)が大関御嶽海(29=出羽海)を押し出して4勝目(1敗)を挙げた。この日で2004年春場所から連続出場1426回を記録。元関脇高見山を抜いて歴代単独4位となった取組後は「(高見山は)初の外国人力士(関取)ですよね。自分はまだまだダメなので」と謙虚に受け止めた。

 初土俵から一度も休場したことがない強さの秘密はどこにあるのか。片男波部屋と親交がある三鷹市相撲連盟の和田光広会長(52)は「若い衆と同じように基礎運動をしっかりやっていると聞きます。長く続けられているのは、そういうことが理由じゃないでしょうか。すでに37歳ですが、年齢を感じさせませんよね」と証言する。

 また、和田氏が代表を務める三鷹相撲クラブには玉鷲ら同部屋の力士が稽古に訪れたこともあり「(玉鷲は)子供たちに優しいし、保護者の評判もものすごくよかったですよ」と明かした。

 小中学生が在籍する同クラブからは角界に挑戦した教え子もいる。今年1月の初場所で初土俵を踏んだ序二段の花房(19=二所ノ関)もその一人だ。和田氏は「彼は幼稚園のころからずっと続けてきましたから。玉鷲から何か感じ取ったものはあると思いますよ」。〝鉄人魂〟は部屋の垣根を越えて受け継がれているというわけだ。

 玉鷲は無休を続けることに「自分だけじゃないので。守る家族もいるし、応援してくれる人もいる。そういう人たちのために痛いとか言っていられない」ときっぱり。大ベテランにとっては、節目の記録も通過点でしかない。