北京五輪のスピードスケート女子1000メートル(17日、国家スピードスケート館)で、高木美帆(27=日体大職)が1分13秒19の五輪新記録で個人種目初の金メダルを獲得した。今大会は5種目にエントリーし、冬季五輪の日本勢では単独最多となる1大会4個のメダルを獲得(通算7個)とし、自身が持つ夏季を含めた日本女子最多記録を更新した。
高木美と同じく五輪で5種目に出場しているのが「元祖オールラウンダー」で東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(57)だ。同会長は大会前、本紙に14年前の〝失言騒動〟を引き合いに出して高木美のスケーティング技術を絶賛していた。
橋本会長は「彼女は氷の押さえ方が上手。氷は蹴るものじゃなく滑るもので、押さえないと前に進まないんですよ。最後のギリギリまで氷からエッジを離さないところが絶妙」と解説しつつ、1998年長野五輪で当時の吉村午良・長野県知事(故人)がスピードスケート選手を「ミズスマシのようだ」と表現した言葉を引用した。
「当時、吉村さんは叩かれていましたけど、専門家としてはミズスマシに見える選手ほど素晴らしいんです。全然、一生懸命に泳いでなくて、水の上を歩いているみたいでしょ。あれがスケーターの理想像。超一流はミズスマシなんですよ。私はできなかったです」
吉村氏は「ミズスマシ」の後に「見ていてつまらない」と発言したことで批判が殺到。橋本会長は「(ミズスマシの部分は)いい表現だなって思っていました。マスコミに叩かれていたから、当時は言えなかった」と苦笑いした。
今では高木美を堂々と「ミズスマシ」にたとえてリスペクト。自身も経験した5種目出場については「やった人じゃないと分からないと思う。どれだけすごいことか。500の強い選手は1000で持たない。どっちも完璧に滑れる人は世界でもそんなにいない。彼女はどっちも滑り切れるので本当にすごい」と舌を巻いていた。
長野から24年の時を経て「ミズスマシ走法」は最高の褒め言葉となった。












