未確認生物の中には、昔から現地に伝説が残っている妖怪と習性が似ているものがある。日本の妖怪である「カッパ」も現代でも目撃例が多いため、実は今でも存在しているのではないかとされている。
海外でもメキシコの「フライング・ヒューマノイド」が現地の魔女伝説との類似性を指摘されていたり、米国でもフォークロアに登場する化け物だったはずの「ジャージー・デビル」やネーティブ・アメリカンの神話に登場する巨大な鳥「サンダーバード」はそれらしき生物がたびたび目撃されて話題となる。
そんな〝伝説の中の怪物と思われていたはずの生物〟のしわざとしか思えない事件が現代でも報告されて話題になっている。
米国・アラスカ州で2000年代から謎の行方不明事件が多発しているというのだ。04年5月、同州南東部ジュノーの沖合へボートで釣りへ出ていた男性2人が恐ろしい体験をした。竿に大物の当たりが来たため引き上げようとしたのだが、逆に釣り人の方が海に引きずり込まれてしまった。その直後に巨大な尾が海面に現れ、ボートの縁を海中からつきだした手がつかんだという。その手には水かきと鋭い爪があったそうだ。
それからアラスカでは数年おきに、海に漁や散策に出た人々が失踪するようになった。誰もが一緒に行動していた知人らと離れて1人になったり、死角に入ってから失踪していること。まるで何者かによって海に引きずり込まれたような証拠が現場に残されていたことなどが共通していた。
さまざまな証拠と目撃証言から、現地の人々は「これは伝説の化け物クァルパリクのしわざに違いない」と考えて震え上がったそうだ。
「クァルパリク」は長い髪に緑色の肌、手に長い爪を生やした人魚のような怪物であり、常に水中に潜んでいて、水辺に近づく子供を引きずり込んでしまうとされていた。独特のハミングのような歌を歌うため、出現する時には歌声がしないかよく気をつけていれば逃れることもできると伝えられている。
本来、クァルパリクはあくまでイヌイットの伝説に伝わる妖怪の一種でしかなかった。そのため、現地の人々は子供が言うことを聞かなかったり、1人で遊ぼうとすると「クァルパリクにさらわれてしまいますよ」などと言い聞かせたという。
この伝説のクァルパリクの特徴と、失踪事件で目撃された怪物の特徴や物証が実に一致しているのだ。たとえば06年9月のケースでは、同州南部コディアック島を訪れたカップルが泳いでいる間に足をつかまれた。彼らは逃げることに成功したのだが、2人が目撃したのは海中から彼らの方を見ている背びれと長い尾のある人間のような生き物だったという。
また、07年夏に同州南部キナイ半島の浜辺での失踪事件では、指の間に水かきのある足跡が砂の上に残されていたそうだ。
果たして、彼らは何に引きずり込まれたのか。アラスカの冷たい海の中には、いまだ知られていない怪物が潜んでいるのかもしれない。












