スキージャンプ混合団体で、日本の高梨沙羅(25=クラレ)ら女子選手ばかり5人がスーツ規定違反で失格になった問題で、またしても新証言が飛び出した。通常の大会では穏やかな雰囲気のスーツ検査場が、今回に限っては異様に張り詰めた空気に包まれていたという。

 7日の混合団体で高梨と同様に失格者を出したノルウェー代表のブラーデン監督はノルウェー紙「ダーグブラーデ」に対し、北京に滞在する各国の関係者と証言をすり合わせ、騒動の全体像が見えてきたと語った。同監督によると、かねて指摘されているスーツの計測方法以外にも、通常の大会とは大きく異なる点があったという。

「通常、検査が行われるコントロールキャビンの中は穏やかで良いムードなんです。しかし、今回は攻撃的な雰囲気が漂っていたと聞いている。私たちの選手も、他国の選手関係者も、同じようなことを経験したそうだ」。非常にピリピリした空気の中で測定が行われたというのだ。

 これまでにドイツ代表関係者らから、男子に対する厳格な測定で知られるマテリアルコントロール(道具チェック)担当者のミカ・ユッカラ氏が、混合団体の時だけ女子に〝介入〟してきたとの証言が出ている。これに対して、ユッカラ氏は「女子の測定部屋には入っていない」と否定。ただ、ドイツの放送局ARDの番組「スポーツショー」は、5日の個人戦で女子選手のスーツに許可を出した女性検査官のアガ・ボンチフスカ氏に対してユッカラ氏が「『女子のスーツがあまりにもゆったりしている』と批判したようだ」と続報を伝えている。

 ブラーデン監督は計測方法が変更された原因について「ダーグブラーデ」に「誰かから指示を受けたのか、それともプレッシャーがあったのか分かりません」と明言を避ける一方で「今、私が興味があるのは、今後どのようにこの問題を解決するかです。今のままではいけない」と再発防止へ動き出す考えを明かした。

 また、全日本スキー連盟(SAJ)は11日に「関係者に事実確認を行った上で、今後、ルールを明確にすることに対して検討を始めるものの、現時点では全ての選手、スタッフのケアを最優先として注力することが最重要と考えております」と声明を発表。今回の悲劇を繰り返さないためにも、各国が協力して原因究明に乗り出す必要がありそうだ。