昨年末に放送されたNHK BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」が捏造疑惑などで炎上していた問題でNHKは10日、調査報告書を発表。問題となっていた字幕が誤りであると認めた。

 この番組は来年6月公開予定の東京五輪公式記録映画で監督を務める河瀬監督や映画製作チームに密着したドキュメンタリーで、NHK大阪拠点放送局が制作していた。

 問題視されたのは映画のために取材を行っていた映画監督の島田角栄氏に同行した場面。東京五輪反対のデモに参加したという男性が登場したシーンで、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とのテロップが入ったのだ。これに五輪賛成派、反対派の双方から「印象操作だ」と異論が噴出していた。

 ネットでの炎上を受けて同放送局が男性に再確認すると、実際に男性が五輪に関するデモに参加していたかどうかはっきりしなかったという。その上で捏造ではないと主張していた。

 報告書では冒頭、「あいまいな情報をもとに、裏付け取材が行われないまま、番組の制作が進み、上司によるチェックも十分行われず、誤った内容の字幕をつけたシーンが放送されたことが明らかになりました」とし、「杜撰な対応」と指摘している。

 調査チームが2月上旬に問題のシーンに登場した男性にヒアリングをしたところ、男性が五輪反対デモに参加したという確証は得られず、「字幕の内容は誤りだった」と判断。これまでの「字幕の一部に不確かな内容があった」との発表を訂正した。

 再発防止のため職員やスタッフらを対象に勉強会を行うとしている。