本来の実力を証明した。フリースタイルスキー・男子モーグル(5日)で堀島行真(24=トヨタ自動車)が銅メダルを獲得。今大会、日本選手団のメダル第1号となった。世界王者で臨んだ4年前の平昌五輪はまさかの11位。大舞台で借りを返した男の素顔とは――。
今季W杯9戦で3勝を挙げ、すべて表彰台に立つなど好調をキープして迎えた2度目の五輪は予選1回目で16位。一発で決勝に進む上位10人に入ることはできなかったが、そこから巻き返した。表彰台に立った堀島は「うれしいし、最低限3位表彰台、メダルを掲げて挑んだので、それが達成できてよかった。ミスをしたけど、自分の全部が出せたんじゃないか」と素直に喜んだ。
2017年世界選手権シングルとデュアル(非五輪種目)で2冠を達成し、王者として臨んだ平昌五輪は転倒して11位に終わった。五輪3大会出場でプロスキーヤーの西伸幸氏(36)が当時を振り返る。
「すごく覚えています。平昌五輪は(原)大智がメダルを取って、彼はセレモニーに出たりすごく忙しそうで、選手村には僕と現コーチの遠藤尚、行真の3人でいて。行真は1人、布団の中でずっと寝ていたんですね。すごく落ち込んでいたのが印象的でした」
西氏によると、堀島はこの4年間でターン技術を強化。前回金メダルで今大会銀のミカエル・キングズベリー(カナダ)に引けを取らない状態に仕上がったという。エアに関しては以前から武器としており、西氏が「『堀島行真=エア』。練習ではほとんどやる選手がいない4回転をやったり、モーグルで禁止されている縦に軸が回るような技までかけているんです」と話すほど。まさに〝鬼に金棒〟となったわけだ。
そんな堀島に周囲は「たぶん、できないスポーツはない」と口をそろえるが、中でも並外れた運動神経を必要とする「パルクール」の〝達人〟だという。街や公園の設置物や段差などを跳び越えたり、駆け登ったりする同競技はフランスの軍事訓練が発祥とされ、将来の五輪競技入りが有力視されている。
西氏は「ずば抜けて身体能力が高い。高いところから飛んで、着地してそのままグルッと回ったり、そういうことを平気でやっちゃう子。好奇心旺盛なんでしょうけど、私はケガしないか心配でした(笑い)」と証言。実は4日の開会式で選手入場の際にバック転を披露して話題になった選手2人のうち、1人が堀島だった。
「感情の起伏がなく、コントロールが上手。テングになることもないし、いつもニコニコしてる」(西氏)。そんな堀島だからこそ〝メダルの神様〟はほほ笑んでくれたのかもしれない。












